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【長寿になる性格とは】意外!明るく陽気な楽観主義者は実は短命?(シリーズ②)

解説 常葉大学健康科学部長 医療法人財団百葉の会銀座医院院長補佐・抗加齢センター長
久保 明

健康で長生きするための条件としては、健康的な食事や運動はもちろんのこと、「本人の性格」も重要だとわかってきました。

この記事では「長寿になる性格」をテーマに4回シリーズでお届けする第2回。今回は従来は長寿になると考えられてきた性格が、実は短命になる可能性がある点を解説しています。
第1回については下記の関連記事をご覧ください。

常葉大学健康科学部長の久保明先生に話を聞きました。

社交的で明るい性格はむしろ短命要因になるかも!?

「明るく陽気な楽観主義者は病気にかかりにくくて、長生きできます。だから、明るく前向きに生きましょう」と、講演会などで話す人がいます。
確かに、明るく陽気な楽観主義者の場合、一見するとストレスをためにくく、病気にかかりにくくなるといえなくもありません。

しかし、本当にこういう性格の人が長寿であると断言できるのでしょうか。
約30年にわたって加齢(年を重ねること)や老化を研究してきた私は、そのような疑問を持ちつづけていました。なぜなら、私が実際に診てきた患者さんたちの場合を考えてみても、必ずしもそうとはいいきれないケースが少なくなかったからです。また、そうした説を証明するための研究論文も極めて少ないという事実があります。

現在、世の中には膨大な医療情報が氾濫しています。その情報をうのみにして、誰かが「これがいい」といえば、それにすぐ飛びつき、まねをする人も少なくありません。
そうした中、明るく陽気な楽観主義者が長生きするというこれまでの「常識」に一石を投じたのが、ターマン博士とフリードマン博士の研究でした。その研究論文には、「社交的で明るい性格は、必ずしも長寿に結びつかない。むしろ短命要因になる」とされていたのです。

では、なぜ明るく陽気な楽観主義者は短命になりやすいのでしょうか。

明るくて陽気な人が短命になる場合があるのはなぜか?

フリードマン博士は、次のように分析しています。

「明るく陽気な楽観主義者は、軽はずみで衝動的な行動を取りがちで、気分に流されやすい。危険に対しても無防備で、不注意による事故や事件にあう危険性が高い。
周囲を楽しませるような明るい性格の子供も、大人になると大量の飲酒や喫煙など健康を害するような乱れた生活を送ったり、人に対する気遣いからストレスをためやすかったりする傾向がある」

実際、この研究では、陽気さが特徴のコメディアンを対象にした調査を行い、一般の人よりも短命だったと報告しています。それは、彼らがつらい経験をしても、それを隠して明るくふるまい、逆にストレスをためやすくなる傾向があると指摘しています。

精神的にタフで男らしい人も、短命に結びつくかも

また、明るくて陽気な楽観主義者は物事を深く考えず、慎重さに欠け、危険に対しても無頓着な場合もあるようです。
例えば、生命にかかわる重病の場合でも、症状のサインを見逃したり「たぶん大丈夫だろう」と勝手に自己判断をしたりして受診や治療が遅れ、手遅れになる場合もあると思われます。
そのほか、この研究では極端な悲観的思考を持つ人や寛容でない人、精神的にタフで男らしい人なども、短命に結びつきやすいと報告されています。

では、いったいどのような性格だと長寿に結びつきやすいのでしょうか。このシリーズの本題である「長寿になる性格」は、いよいよシリーズ第3回で解説します。

この記事は、医療や健康についての知識を得るためのもので、特定の見解を無理に推奨したり、物品や成分の効果効能を保証したりするものではありません。

写真/© Fotolia ©カラダネ

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