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大動脈瘤・解離の再発予防に【心血管リハビリ】を。今注目の予防法を医師が解説

解説榊原記念病院・欅坂上医科歯科クリニック
伊東春樹

心臓や血管の病気を防ぐには、血圧や血中脂質をコントロールしたり、禁煙や運動不足の解消といった生活習慣の改善が肝心です。

では、大動脈瘤や大動脈解離を発症した人はどのような再発防止を行えばいいのでしょうか。
あらゆる循環病の再発防止として今注目されている「心血管リハビリ」について、医師の伊東春樹先生にお話を聞きました。

大動脈瘤や大動脈解離を発症したことがある人は、主治医に診てもらうことにくわえて、心血管リハビリについても理解を深めてください。

大動脈瘤・大動脈解離の再発予防には原因となる動脈硬化に対する治療が必要

大動脈瘤や大動脈解離を発症した人にとっての再発予防は、二次予防となり、患者さん自身での管理は難しくなります。それというのも、大動脈の瘤(こぶ)や解離は、たとえ手術が成功したとしても、原因となった動脈硬化そのものが改善しているわけではないからです。

動脈は全身を巡っているので、大動脈に症状が出現したということは、同じ場所で再発する可能性もあれば、脳動脈や心臓の冠動脈などのほかの場所で発症することも大いにあり、動脈硬化に対する根本的かつ効果的な治療が必要になるのです。

動脈硬化に有効な「心血管リハビリ」は大動脈瘤・解離だけでなく心臓病や認知症の予防にも役立つ

大動脈瘤・大動脈解離の原因となる動脈硬化には「心血管リハビリ」が有効

そのため、二次予防に該当する人には、薬物治療に加え、循環器専門医の管理下で行われる心臓血管リハビリテーション(以下、心血管リハビリという)が有効です。

心血管リハビリでは、運動療法による心機能や体力の回復、動脈硬化の改善を中心に、食事療法やカウンセリングを含めた治療を行います。

とりわけ二次予防に効果の高い運動療法については、専門医が、患者さん一人ひとりに対して心拍数や血圧などを測定しながら運動負荷テストを行って運動を処方します。適正な運動を続けると、動脈硬化の進行を防いだり、すでに生じている動脈硬化巣が縮小することも多く、非常に有効です。

「心血管リハビリ」は心臓病、認知症、骨粗鬆症、慢性腎臓病などの予防にもおすすめ

さらに、運動により、心肺機能の強化や高血圧の改善、日常動作の心臓への負担減、体内の代謝の改善、悪玉(LDL)コレステロールや中性脂肪の減少、善玉(HDL)コレステロールの増加なども得られ、心筋梗塞や心不全などあらゆる心臓・血管病の再発防止にも作用します。また、このような運動は認知症や骨粗鬆症の予防、慢性腎臓病の進行予防にもおすすめです。

こうした心血管リハビリの情報は、日本心臓リハビリテーション学会のホームページで公開しているほか、「運動処方外来」を行っているクリニックで相談するといいでしょう。

この記事は、医療や健康についての知識を得るためのもので、特定の見解を無理に推奨したり、物品や成分の効果効能を保証したりするものではありません。

写真/© Fotolia ©カラダネ

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