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【高須院長おすすめ】天然の美白洗顔料はなんと「米のとぎ汁」!シミ予防に役立つと話題

解説 高須クリニック院長
高須克弥

紫外線からのダメージが蓄積することで生じる「シミ(正式には日光性黒子、または老人性色素斑)」は年を重ねるにつれて、誰にでも現れるシミの代表格です。

女性にとっては、美の大敵ともいえるシミ。防ぐには、当然ですが紫外線を極力浴びない生活を心がける必要があります。しかし、すでにできてしまったシミに対してはどんな対策を講じればいいのでしょうか?

美容医療を牽引しつづけるスーパードクター、高須クリニック院長の高須克弥先生に話をお聞きしました。

日本女性の美肌の源は【米ぬか】

シミは肌の表皮にある色素細胞が、メラニンという色素を過剰に生成することで生じます。肌細胞は新陳代謝(古いものと新しいものの入れ替わり)で常に生まれ変わっていますが、年を重ねたり、肌の手入れをおろそかにしたりすると、その働きが衰えてメラニンを含んだ肌細胞が、排出されにくくなるのです。その結果、シミが表皮に長くとどまって、目立つようになります。

そこで、美容外科の専門医である私は、肌細胞の生まれ変わりを促し、シミの改善に役立つ方法として、約30年前からある生活習慣を患者さんにすすめてきました。それが、米のとぎ汁を使う洗顔方法(以下、とぎ汁洗顔と呼ぶ)です。

私が米のとぎ汁に着目したのは、科学技術があまり発達していなかった戦後の少しあとまで、日本女性の素肌美を守ってきたのが、米のとぎ汁に含まれる「米ぬか」だといわれていたからです。当時の女性は、米ぬかを詰めた布袋で顔や体を洗っていたそうです。

s_Fotolia_113654753_Subscription_Monthly_M.jpgそんな日本女性の素肌美を象徴するエピソードがあります。それが、幕末、黒船で日本にやってきたペリー提督について記された文献の中に「日本女性は顔にシミがなく、老いていてもしわが少ない」という記述があったとされていることです。

また、日本女性がここまで肌トラブルに悩まされるようになったのは、戦後、洗顔料や化粧品が使われるようになってからのこと。そこで、安全で美肌作用の高い米ぬかが多く含まれる米のとぎ汁を活用しようと思ったのです。

米の【とぎ汁】を女性の洗顔におすすめしたい理由

米のとぎ汁には、精米時に生じた米ぬかの微細な粒子が含まれているだけで、不純物は一切含まれていません。その米ぬかの粒子も、目では到底確認できないほど小さく、水にしっかりと溶け込んでいます。

微細な粒子は、肌をいたずらに刺激せず、それでいて肌細胞の新陳代謝を正常に働かせる作用を発揮します。ですから、米のとぎ汁は、洗顔に最適というわけです。

とぎ汁は肌を傷つけずに「ターンオーバー」を促す

美容外科や皮膚科では、肌の自律的な働きを促して素肌の自然な美しさをとり戻す「ターンオーバー理論」(ターンオーバーは細胞の生まれ変わりのこと)という考え方が主流になっています。とぎ汁洗顔も、ターンオーバー理論を応用したスキンケア法の一つといえます。

s_ターンオーバー.jpg一般的に、健康な肌細胞は約28日間の周期で生まれ変わっています。ごく簡単にいうと、表皮の最も深部にある基底層で作られた細胞が徐々に肌の表面へと押し上げられ、表皮の最も外側の角質層に到達するまでに約28日間かかり、最後にはアカとなってはがれ落ちていくというしくみです。

そのとき、健康な肌細胞を維持できていれば、色素のメラニンを含んだ古い細胞もいっしょに押し上げられ、アカとしてはがれ落ちます。それによって表皮の世代交代が進み、肌が本来の美しさをとり戻すわけです。
シミに悩まされている人は、ターンオーバーによる表皮の世代交代が、うまく機能していないと考えられます。

ターンオーバー理論を応用したとぎ汁洗顔では、肌の古くなった角質を、できるだけ刺激の少ない方法でとり除きます。それによって肌細胞の生まれ変わりを正常にして、シミをはじめ、しわ・クスミ・乾燥肌といったさまざまなトラブルを改善させるのです。

【安全・費用ゼロ】とぎ汁洗顔は高コスパの美容法

戦後の少しあとまで日本女性は、米ぬかを詰めた布袋で洗顔していたと述べました。これも、肌のターンオーバーを促すおすすめの方法です。とはいえ、米ぬかを詰めた布袋よりも、米のとぎ汁のほうが肌への刺激が少ないのは明白なので、とぎ汁洗顔を私は、おすすめしています。

安全面についていえば、とぎ汁に含まれる米ぬかは天然成分なので、かゆみ、痛み、腫れといった副作用がほぼないことも大きな利点でしょう。

スキンケアで使われる化粧品・薬品には、人によって肌に合わないものがあり、事前に手首の裏側などに少量つけて異常がないか確認するパッチテストを行わないと、あとになって副作用に悩まされることになります。「肌にやさしい」と記載されていても、肌荒れやかぶれが起こるケースが少なくないのです。

その点、米のとぎ汁なら、ふれても肌に異常が現れる心配はほぼありません。最近、まれに米アレルギーの人がいるようですが、そういう体質でなければ、誰でも安心してとぎ汁洗顔を行えます。

s_Fotolia_132397949_Subscription_Monthly_M.jpgさらに、とぎ汁洗顔の利点として見逃せないのが、費用ゼロで実行できることです。食の欧米化が進んだ今でも米は日本人の主食であり、多くの家庭は米をとぎ、炊飯して食事の準備をします。そのさい、とぎ汁を流し台に捨てず、洗面器などにとっておけばいいのですから、余計な出費は全くかかりません。

みなさんの中には、高価なクリームを塗って顔をマッサージしたり、最新の美顔器を使って美肌アップに励んでいたりする人がいるかと思います。そのようにお金がかかる方法と比べて、とぎ汁洗顔は、費用がゼロであるうえ、ターンオーバー理論に基づいた確かな美肌作用を期待できます。

ぜひ、みなさんもとぎ汁洗顔を試してください。ただし、とぎ汁洗顔を行い、万が一、肌にかゆみ、痛み、腫れといった異常が現れた場合は、すぐに中止して、皮膚科を訪れてください。

記事にあるセルフケア情報は安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、効果効能を保証するものではありません。

写真/© Fotolia ©カラダネ

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