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【中高年のおなかヤセ講座】デブ・メタボ解消のカギは「腹横筋」の強化。おなかこすりがおすすめ

解説腹凹トレーナー・厚生労働省認定健康運動指導士
竹内しのぶ

運動不足や食べ過ぎで、おなかまわりが気になる人は多いのではないでしょうか。寒い時期は外へ出るのもおっくうになり、冬は特に太ってしまうなんて人もいますね。

中には、おなかをへこませる運動をしているのに、あまり成果が出ないという人もいるかと思います。「そういった人は腹横筋を動かせていない」と、厚生労働省認定健康運動指導士である竹内しのぶ先生は語ります。

腹横筋は動かしにくく鍛えづらい

これまで、おなかをへこませるために、いろいろな運動を試した人も多いと思います。しかし、50代を過ぎたころから、成果が出にくくなったという人が多いのではないでしょうか。実はこういった人たちには共通点があります。それは、おなかの一番奥にある筋肉の「腹横筋(ふくおうきん)」が動かせていないことです。

腹横筋とは、おなかのまわりをコルセット(背骨などを固定する目的で用いられる装具)のように包み込む長い筒状の筋肉のこと。呼吸や姿勢をまっすぐに保つなど、日常のありとあらゆる動作で使われています。そのため、腹横筋がしっかり動いていれば、 日常生活の中で消費できるエネルギー量が増えます。

腹横筋の位置

腹横筋1.jpgまた、腹横筋は、胃腸や肝臓などの内臓がおなかの中に収まるように支える働きもあり、おなかまわりをスッキリさせるには非常に大切な筋肉で、いわば「腹ヤセ筋」といえるのです。しかし、おなか太りの人の多くは、たとえ腹筋運動が何回かできたとしても、おなか以外の筋肉を使っており、腹横筋はほとんど動かせていません。

では、なぜ腹横筋が動かせないのでしょうか。第1の理由は、脳と腹横筋を結びつける回路のつながりが弱いからです。そのため、意識して腹横筋を動かそうとしても、脳が腹横筋の場所がわからず、「動け」という指令が届きにくくなっています。

脳から筋肉へ指令を送る回路は、使っている頻度で、つながりが強まったり弱まったりします。例えば、手の指でグー・チョキ・パーをしてみてください。次に足の指で同じようにグーチョキパーをしてください。ほとんどの人は、足の指で行うのは難しく感じるはずです。また、できているつもりでも目で確かめると、全然動いていなかったという人もいるでしょう。

これは、手の指とは違い足の指の筋肉は、脳とのつながりがもともと弱いのに加え、日常生活で意識的に動かさないため、脳とのつながりがさらに弱まっているからです。足の指の筋肉なら目で場所は見え、どう動いているか確認できますが、腹横筋はおなかの奥にあるので、場所や動きを確かめることができません。そのため、足の指以上に回路が弱まりやすいといえます。

腹横筋が動かせない第2の理由は、腹横筋がカチカチに固まっているためです。筋肉は、年齢とともに血流が悪くなり、硬くなりやすくなります。それに加えて、運動不足などによって腹横筋を使っていないと、さらに硬くなっていきます。肩こりをイメージしていただくとわかりやすいでしょう。

実際、私のような専門家が、おなか太りに悩む中高年のおなかを触ると、表面はプヨプヨでも、奥の腹横筋はカチカチに固まっている人が大半です。中高年の腹横筋が固まる主な原因には、次の3つがあげられます。

  1. ネコ背などの悪い姿勢姿勢を維持するために働く腹横筋をあまり使わなくなるため、硬くなります。
  2. 冷え症・便秘症筋肉は冷えると固まりやすくなります。また、便秘症の人は腸の動きが鈍いため、接している腹横筋が受ける刺激が減り、硬くなります。
  3. おなか太り脂肪に腹横筋が埋もれて動きづらくなるため、おなか太り自体も腹横筋を硬くする原因になります。その結果、腹横筋が硬くなっておなか太りを招き、さらに腹横筋を硬くするという悪循環を招きます。

冬は体を動かす機会が減っておなか太りを招き、悪循環に陥りやすいです。それを解消するため、腹横筋を日頃から動かすことが重要なのです。

3週間でウエストが15センチ減った人もいる

実際に、腹横筋が動かないため、おなか太りを招く中高年は数多くいます。腹横筋を動かすためには、まず脳の「動け」という指令が腹横筋に届くように「脳」と「筋肉」の回路をつなぎ、強化する必要があります。さらに固まった腹横筋が動けるように、柔軟にしなくてはいけません。

その2つを一挙にできる秘策は、なんと「おなかをこする」だけ。信じられない人も多いはずですが、実際にやってみるとその真意がよくわかります。まず、息を大きく吸っておなかを膨らませてください。次におなかに手を当てて同様に膨らませてください。手を当てているほうがやりやすく、おなかが動いているのがよくわかりませんか?これは、おなかに手が触れることで違和感が生じ、そこに脳の意識が向きやすくなるためです。

そもそも、腹横筋は脳がどこにあるのかわかりにくくなっています。そこで、おなかに手を当てることで、脳に「動かしたいのはここですよ」と意識させるのです。そうして脳の意識がおなかに向かっている状態で、おなかをこすって、 固まった腹横筋を直接ほぐします。

腹ヤセ筋.jpg筋肉には、ほぐれて血流がよくなると、そのあとに自然と収縮する性質があります。これはいわゆる「もみ返し」です。肩などのマッサージを受けた翌日、前よりももっとカチカチになって痛みがひどくなった経験がある人も多いでしょう。 これは必要以上に一気にほぐしたため、筋肉が収縮しすぎてしまうために起こります。

おなかをこする動作も、この筋肉の性質によって、腹横筋が一度ゆるまってすぐに収縮します。すると、腹横筋が収縮したことが脳へと伝わり、脳は「ここは筋肉だっ た」と思い出してくれるのです。

このようにおなかをこする動作は、脳に「動かしたい場所はここですよ」「ほら、動いているでしょ」という、確認作業をくり返して、脳と腹横筋の回路をつなぎ、強化していくことができます。もちろん、こすることで固まった腹横筋をほぐすこともでき、しだいに筋肉を動かせるようになるのです。

また、ほぐした直後の筋肉は締まっていくので、こすることで腹横筋は鍛えやすい状態になるという利点もあります。そこで、私はおなかをこすったあとに、腹横筋を鍛える動きを加えた「腹ヤセ3・3・7こすりダイエット」を考案しました。ダイエット作用は絶大で、早い人では1週間でおなかがへこみだします。中には、3週間でウエストが15センチ細くなり、体重が4キロ減った人もいます。

私は、65歳以上を対象とした介護予防教室でも、姿勢や運動機能の改善のために、腹ヤセ3・3・7こすりを指導しています。体験した人からは、「スタスタ歩けるようになった」「ジャンプができるようになった」「ネコ背が改善した」など、とても好評です。

おなかがやせた人も多く、2キロやせてウエストが3センチ細くなったという70代の女性や、ベルトの穴が1つ分減ったという70代の男性もいました。おなかをこするだけなら、 ひざや股関節などに負担をかけることもないので、中高年におすすめのダイエットです。

記事にあるセルフケア情報は安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、効果効能を保証するものではありません。

写真/©カラダネ

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