【疲れやだるさを解消したい】酢トマトを食べて酢酸やクエン酸を補給しよう

解説実践女子大学名誉教授
田島 眞

酢トマトはその名称の通り、酢にトマトをつけて食べる食べ方。酢に野菜などをつけて食べるのがここ数年流行しています。
酢ベジ(酢ベジタブル)と呼ばれたりするのを聞いたことがある人も多いでしょう。作り方は、下の関連記事をご覧ください。

酢には酢酸、トマトにはクエン酸が含まれています。
この酢酸とクエン酸に期待できる健康への作用について専門家の田島眞先生に話を聞きました。

疲れやだるさは、クエン酸サイクルが回らないのが原因?

酢トマトは、疲れやだるさの予防と改善におすすめです。私たちが疲れを感じるかどうかは、体内の「クエン酸サイクル」が深くかかわっています。

クエン酸サイクルとは、食事からとり込んだ糖質やたんぱく質、脂質などの栄養素からエネルギーを生み出すしくみのこと。
主体となるクエン酸が、数種の酸に変換されていく過程でエネルギーが生成され、再びクエン酸に戻るサイクルをくり返します。 こうして私たちはエネルギーを得て、毎日活動できるのです。

クエン酸が不足すると、このサイクルがうまく回らず、十分なエネルギーが作り出せなくなります。それだけでなく、体内にピルビン酸(焦性ブドウ酸)や乳酸などの疲労物質がどんどんたまっていき、疲れやだるさを感じるようになります。

酢トマトの酢には酢酸(さくさん)が、トマトにはクエン酸が豊富に含まれています。
酢酸は体内でクエン酸に変換されます。トマトのクエン酸も加われば、クエン酸サイクルが円滑に回るようになり、疲労回復作用が高まって、結果的にだるさなどの改善にも役立つのです。

トマトジュースで疲労感が軽減した

仙台市立病院では、トマトジュースを使った実験で運動後の疲労の軽減作用を調べています。
実験に参加した健康な男女10人を2つのグループに分けて、エルゴメーター(自転車こぎの運動をするための機器)を用いて心拍数130程度の強めの運動を行ってもらいます。

そして、運動の前半と後半の間に、一方のグループにはトマトジュースを、もう一方のグループには水を、それぞれ320ミリリットルずつ飲んでもらったそうです。
そして、運動後に「自覚的運動強度(RPE)」と血液中の乳酸(疲労物質)の量を測定し、両者を比較しました。

RPEとは、自分の体感した運動強度を数値化する指標なのですが、トマトジュースを飲んだグループのほうが明らかに低く、疲労感が少ないことがわかりました。
また、疲労物質である血液中の乳酸の量も、トマトジュースを飲んだグループのほうが水を飲んだグループよりも少ないことが確認され、トマトジュースが運動による疲労を軽減させることがわかったのです。
もちろん、これは運動後の話ですが疲労が軽くなったという結果が出ているのは注目すべき点だと思います。

酢酸やクエン酸が豊富な酢トマトを、疲れやだるさの予防や改善を期待してぜひ毎日の食事に取り入れてください。疲れやだるさが、何をしても取れない、特に寝ても取れないという場合は病気が隠れている可能性もありますので、医師に診てもらうことを忘れずにお願いします。

この記事は、医療や健康についての知識を得るためのもので、特定の見解を無理に推奨したり、物品や成分の効果効能を保証したりするものではありません。

写真カラダネ © Fotolia

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