1. ニュース&コラム
  2. 【医師直伝のアルツハイマー予防法】プラス思考の性格ならリスクが半減?

【医師直伝のアルツハイマー予防法】プラス思考の性格ならリスクが半減?

解説米山医院院長
米山公啓

物忘れなどの記憶障害や、体の動きが不自由になる場合も多く、寝たきりになることもある認知症「アルツハイマー病」。

アルツハイマー病の予防について医師の米山公啓先生に話を聞いたところ、どうやら「なりやすい人」と「なりにくい人」には違いがあるとわかってきたそうです。

なりやすい人なりにくい人の違いがわかれば、予防に役立つのではないでしょうか。

アルツハイマーになりやすい人、なりにくい人の違い

厚生労働省の調査によれば、認知症の患者数は全国で約462万人にも上り、2025年までにその患者数はさらに1.5倍にも増えるだろうと推測されています。これは、65歳以上の高齢者のうち、5人に1人が認知症になる計算です。

そうした認知症の中でも最も多いのがアルツハイマー型認知症(以下、アルツハイマー病)で、その予防策を見つけるため、食生活や運動習慣、持病の有無など、さまざまな観点から研究調査が行われています。

例えば、持病の有無では、動脈硬化が進んだ人は約3倍、糖尿病の人は約2倍もアルツハイマー病の発症の危険が高まると報告されています。また、青魚を多く食べる人や有酸素運動を習慣的に行う人は、アルツハイマー病の発症率が低くなることもわかってきました。

加えて、アルツハイマー病と性格についても研究が進んでいます。認知症の発症が心配な性格は、物事を悪いほうに考えがちなマイナス思考の人です。

アルツハイマー病の発症には心身のストレスが大きく関係しており、心身がストレスを受けると脳の神経細胞がダメージを受けてアルツハイマー病の危険が高まります。
マイナス思考の人は、ストレスに弱く、その悪影響をより受けやすいため、アルツハイマー病の発症率が高くなると考えられるのです。

実際、米国ミシガン州のメイヨークリニックの研究によれば、悲観的でウツ傾向にあるマイナス思考の人は、20~30年後に認知症になる危険が1.3倍にも高まることが確認されています。
また、フィンランドで行われた研究では、「人は利己的な関心だけでしか動かない」「誰も信用できない」と強く信じるマイナス思考の人は、そうでない人に比べて約3倍も認知症になるリスクが高いことも報告されています。

そのほか、几帳面で融通がきかない人、頑固で自分の考えに固執しがちな人、すぐに機嫌を損ねる人、嫉妬心が強いといった人も、ストレスに弱くアルツハイマー病になりやすい傾向があると考えられます。

プラス思考で認知症のリスクが半減するかも?

それに対し、認知症を発症しにくいのは、大ざっぱな楽天家、好奇心旺盛で活動的な人、明るく饒舌(じょうぜつ)な社交家といった人たちです。こうしたプラス思考の性格だと、認知症の発症の危険が低くなる可能性があると研究でもわかってきています。

国立長寿医療研究センターと千葉大学などのグループは、65歳以上の約14,000人を対象に4年間の追跡調査を行いました。対象となった人には、調査開始時のアンケートで「今の生活に満足しているか」「自分は幸せなほうだと思うか」など、前向きな感情を持つかどうかを尋ねる5つの質問に答えてもらいました。

その結果、調査期間中に約800人が認知症を発症しましたが、5つの項目すべてに「はい」と答えた前向きな人は、「はい」が全くないマイナス思考の人に比べ、認知症になるリスクが男性で50%、女性で69%も少なかったのです。

プラス思考で「できること」に目を向け、アルツハイマーを防ごう

年齢を重ねると、さまざまな病気や関節痛で悩んだり、物忘れが増えたりするため、急にプラス思考を心がけようとしても難しいものです。そこで、自分がマイナス思考だと思う人は、次のように考えてみてください。

「若いころに比べて物忘れが増えるのは、ある意味、自然なこと。体力が落ちたり、病気や慢性痛を招きやすくなったりするのも、ある程度やむを得ないこと。
若いころのように仕事や家事がこなせなくなって当然なんだ、これからは今できることに目を向けよう」


以上のように考えて、できる範囲で家事の手伝いや地域の活動に参加したり、趣味を楽しんだりすると、生きがいや目標ができます。生きがいや目標のある人は、認知症の発症リスクが減る可能性があるわけです。
以上のことは、もちろん全員に当てはまることはありません。でも、アルツハイマー病のリスクが減る可能性が少しでもあるなら、実践してみる価値があると思います。

最後に、認知症の症状が現れている人や物忘れの症状が重い人は、専門の病医院で診てもらうことは忘れないでください。

記事にあるセルフケアは安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、効果効能を保証するものではありません。

写真/© Fotolia ©カラダネ

この記事が気に入ったらいいね!しよう