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国立大で研究【至高のダイエット食】は昭和50年代の食事!内臓脂肪が1/3に減〜連載①〜

解説東北大学大学院准教授
都築 毅

肥満を解消するためにまず試みようと思うのは、食事の量を減らして摂取カロリーを減らす「低カロリー食」ではないでしょうか。摂取カロリーを消費カロリーよりも少なくすればやせることは確実で、明快な考え方です。

しかし現実には、低カロリー食にしたからといって、誰もが肥満を解消できるとは限りません。それはなぜなのでしょうか?実は、そのヒントが「昭和50年代の食事」に隠されています。

昭和50年代の食事について、東北大学大学院准教授の都築毅先生に話をお聞きしました。

【知ってますか?】昭和50年は肥満者の割合が現在の約半分

低カロリー食にしたからといって、誰もが肥満を解消できるとは限りません。そのことに関連した興味深いデータがあるので、紹介しましょう。

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2つのグラフをご覧ください。一つは、昭和50(1975)年から2005年に至るまでの、1日当たりの総摂取カロリーの推移を示したものです。もう一つは、BMIが25以上の肥満成人男性の割合の推移を示したものです。どちらも厚生労働省「国民健康・栄養調査」より抜粋したものです。

2つのグラフを見ると、昭和50(1975)年から2005年に至るまで、総摂取カロリーはどんどん減ってきているのがわかります。しかし、それとは反対に肥満者の割合が増えていることがわかります。肥満男性の割合は、昭和50(1975)年では約17%ですが、平成19(2007)年には約30%と、倍近くに増えています。

昭和50年代といえば、オランダ、ノルウェーを抜いて、日本が世界一の長寿国になったころです。それを支えているのが「和食」であること、世界中の研究者が着目しているのは周知のことです。ところが、和食といっても時代によって中身も栄養成分も大きく変化しています。

そこで私たち東北大学の研究チームは、厚生労働省の資料をもとに、昭和35(1960)年から平成17(2005)年までの日本人の食事を比較する実験を行いました。
そして、肥満を最も抑えるのは昭和50年の食事、つまり「昭和50年食」という結論に至りました。しかも、昭和50年食は最も健康作用が高く、老化を遅らせ、長寿をもたらすこともわかったのです。

和食と欧米食の割合が絶妙だった昭和50年

昭和50年食は、ご飯中心の和食ですが、それ以前の「少ないおかずでご飯をたくさん食べる」というご飯偏重で栄養バランスの悪い食事ではありません。こうしたおかずの乏しい食事から、動物性脂質が多い欧米化した現代食への過渡期に当たる食事です。昭和50年食は、それまでの和食に少しだけ洋食が入ってきたことで、ちょうどいい栄養バランスの食事になったのです。

ではここで、私が実験のさいに採用した各年代の食事の一例について見てみましょう。

s_2005.jpg現代食(平成17年)では、主食はパンやご飯、めん類と多彩で、副菜は肉料理が中心で魚料理は少なく、外食ではハンバーグなどのファストフードの多いことが目立ちます。いわば、動物性食品の多い食事です。

s_1990.jpg続いて、平成2(1990)年の食事は、現代食とほとんど変わりないといっていいでしょう。

s_1960.jpgまた、先に述べたように、昭和50年食よりも前の昭和35年の食事では、おかずが少なく、その分ご飯の量が多く、全体的に彩りも少なく、地味で味気ない印象です。

s_1975.jpg昭和50年食の献立は、牛や豚などの肉類はそれほど多くなく、豆腐や納豆、みそ汁といった大豆などの豆類や海藻が多く取り入れられています。肉じゃがやおひたし、酢の物など、現代食に比べると和食らしいおかずが多く、その一方で、オムレツやシチューなど、洋風の料理も食べるという、和洋を問わずさまざまな品目をまんべんなく食べていたのが特徴といえます。

こうした多彩な食品を含む食事は、当然ながら栄養のバランスが極めてよく、肥満を回避できるだけでなく、健康面でもさまざまな利点があるのです。

また、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」2015年版では、たんぱく質、脂質、炭水化物の割合が、それぞれ1320%、2030%、5065%となるのがいいとされていますが、昭和50年食はまさにこのバランスに近く、栄養学的にも理想的なのです。

【マウス試験】内臓脂肪が1/3まで減った

昭和50年食についてくわしく調査するために、マウスを使った実験も行いました。

具体的にいうと、厚生労働省による過去の日本人がどのような食品を食べているのかを示したアンケートデータを参考に、昭和35(1960)年、昭和50(1975)年、平成2(1990)年、平成17(2005)年の4つの年の食事を、それぞれ1週間分(朝・昼・夕の3食を7日分で21食)ずつ作りました。

そして、4つの年の1週間分の食事をそれぞれ混ぜて粉砕して乾燥させたものを、まず4週間、マウスにエサとして与えました。すると、昭和50年食を与えたマウスは、ほかの年の食事を与えたマウスよりも代謝(体内で行われる合成や分解などの反応)が活発になり、内臓脂肪も少ないことがわかりました。

8カ月の長期飼育を行ったところ、さらに大きな差が明らかになりました。体重に関しては、昭和50年食を食べていたマウスの体重が平均約46グラムなのに対して、平成17年の食事では約56グラムと、昭和50年食のほうが10グラムも軽かったのです。これは、人間の体重に換算するとおよそ10キロも軽かったことになります。また、私たちの実験では、毎日の食事を昭和50年食にすれば、内臓脂肪が現代食の半分から3分の1まで減らせることもわかっています。

記事にあるセルフケアは安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、効果効能を保証するものではありません。

写真/© Fotolia ©カラダネ

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