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【やり方動画つき】腱鞘炎の痛み・しびれは「腕さすり」を症状別にやれば改善し、痛みが和らぐ人も

解説 札幌スポーツ&ケア治療室代表
清水 真

パソコンやスマホをよく使う人に多いのが腱鞘炎(けんしょうえん)。腱鞘炎の人には、セルフケアとして腕さすりマッサージがおすすめです。腱鞘炎が重症化した、ばね指の人もぜひ試してください。
自分で改善できる可能性があります。

腕さすりマッサージは、筋膜リリースという新しい治療法の一種で、自分でも自宅にあるバターナイフ1本で簡単に行えます。

筋膜リリースとは何か?なぜいいのか?…については、下の関連記事で解説されています(その記事には基本の腕さすりが解説されています)。この記事では、腱鞘炎の痛みを特に和らげるやり方を、治療家の清水真先生に聞きました。

とはいえ、症状がある人は必ず専門医の治療を受けることを基本にしてください。

腱鞘炎を和らげるやり方①握りこぶしを作って行う

腱鞘炎を改善させる腕さすりにはやり方が2つあります。用意するものはたった2つ。

●用意するもの

バターナイフ…縁の部分が角ばっておらず、皮膚を傷つける心配のない丸みをおびたもの。
クリーム…ワセリンやボディオイル、ココナツオイルなど普段使っているものでかまいません。クリームは、まずは腕に塗って、すべりをよくしてください。

やり方①は、腱鞘炎で特に腕にしびれや痛みがある人に試していただきたいやり方です。
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❶軽く握りこぶしを作り、ひじから親指にかけてバターナイフでゆっくりとていねいにさする(20〜30回)

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❷慣れてきたら、手首を動かしながらバターナイフで腕をさする(20〜30回)。

やり方を解説した動画もありますので、ぜひご覧ください(なお動画内では「バターナイフさすり」となっていますが、上で紹介している腕さすりと同じものです)。

腱鞘炎を和らげるやり方②両手を広げて行う

やり方②は、腱鞘炎で特に手にしびれや痛みが現れている人に試していただきたいやり方です。

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❶親指のつけ根から親指の先までを、バターナイフでさする(20〜30回)。

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❷慣れてきたら、手首を動かしながらバターナイフでさする(20〜30回)。親指と小指をくっつけた状態で手首を動かしながらさするのがおすすめ

やり方を解説した動画もありますので、ぜひご覧ください(なお動画内では「バターナイフさすり」となっていますが上で紹介しているものと同じものです)。

体験例紹介)腱鞘炎が改善しサポーターも手放せた

安達時子さん(仮名・50代)は、20年以上続けてきた事務仕事で、手首に慢性的な痛みとしびれがありました。冬は寒さで症状がいつも悪化して、サポーターで固定しなければ手首を動かせず、仕事にも支障が出るほどだったといいます。

腱鞘炎とは、腱と腱を包む腱鞘に炎症が起こった状態です。原因の多くは手指の使いすぎによるもので、筋力が弱い女性に多く見られます。
安達さんの場合も、事務仕事を続けているかぎりは、腱鞘炎による手首の激痛やつらいしびれにつきあいつづけるしかないと、半ばあきらめていたようでした。

安達さんが腕さすりを始めたきっかけは、私の講習会に参加してくれた友人からの情報だったといいます。
「本当にさするだけで痛みが軽くなるの?」と、最初は半信半疑でした。
ところが、私が腕さすりのやり方を指導し安達さんご自身で手指やひじを3分ほどさすると、強かった痛みやしびれがみるみる軽くなり驚いていました。

症状の変化を実感した安達さんは、その後、朝と仕事の帰宅後、夜寝る前と1日3回を日課として、腕さすりを続けたそうです。すると、あれほど悩まされていた手首の激痛や強いしびれは軽減し、半月もすると仕事中に手首の痛みを忘れることもあったといいます。

仕事が忙しくなる繁忙期や腱鞘炎が悪化しやすい冬も、乗り切れる自信がついたという安達さん。冬でも、仕事中に手首を固定するサポーターをする必要がないと喜んでくれました。

最後に、腱鞘炎やばね指といった症状は、整形外科の専門医に診てもらうことが重要です。そのうえで、セルフケアの一環として腕さすりマッサージを試してみてください。

・記事にあるセルフケアは安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、効果効能を保証するものではありません。
・この記事は健康情報誌『わかさ』で2017年に紹介されたものをウェブ用に再編集したものです。

写真/© Fotolia ©カラダネ

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