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【耳鳴り】を止めるツボは耳たぶにある。カイロ活用「耳ツボ温熱」で悪化を防ごう

解説アジアンハンドセラピー協会理事・針灸師
松岡佳余子

耳鳴りに慢性的に悩む人がおおぜいいます。その中には、特に冬にひどくなる人が多いようです。というのも、耳鳴りは実は寒さと関係しているため。

実際に、冬になると患者さんが増えるという治療家の松岡佳余子さんに、その原因と自力対策を聞きました。市販のミニカイロをご用意してお読みください。

もちろん、耳鳴りに悩んでいる方は、自力対策だけでなく耳鼻咽喉科の専門医の治療を受けることは忘れずにお願いします。

寒さによる耳の血流悪化で耳鳴りが多発

針灸師をしている私の治療院には、冬になると、耳の冷えが原因で耳鳴り・難聴などに悩む患者さんが数多く訪れます。

そもそも耳の耳介(耳の外に張りだしている部分)は、体熱を生み出す筋肉の量が非常に少なく常に露出しているうえ、毛細血管が皮膚の表面近くを走っており、冬の冷たい空気の影響を受けて、特に冷えやすいのです。
こうして耳が冷えると、耳介から内耳へと冷えが伝わっていきます。すると、内耳の血流が悪化して耳が硬直してしまい、耳鳴りや難聴が起こりやすくなると考えられます。

そこで、寒い日に悪化する耳鳴りや難聴の改善法として、針灸治療とともに私がすすめているのが、使い捨てカイロを使う「耳ツボ温熱」です。
耳ツボ温熱は、冷えた耳を覆うように使い捨てのカイロを当てて温める温熱法のこと。温かいカイロを耳に直接当てるこの方法なら、耳介から内耳の奥までじんわりと熱が届き、冷えで悪化した内耳の血流の改善に大変役立つはずです

耳のツボを温めて耳鳴りを止めよう

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実は、耳ツボ温熱が内耳の冷えの改善に役立つのは、単に冷えた耳を温められるからではありません。耳介には、全身の縮図のようにさまざまな体の部位のツボや反射区(内臓や各器官につながる経が集中している場所)が密集しています(上の図を参照)。
反射区はツボと同様に扱われ、温熱刺激を与えることで対応する部位の血流が促されて全身がポカポカと温まり、ひいては耳も温められるのです。また、輪ゴムの刺激がこりをほぐす点でも血流アップにおすすめです。

当然、それらの反射区の中には、耳自体の機能改善に役立つ反射区もあります(耳たぶのやや内側)。そこに温熱刺激を与えれば、音を感じ取る内耳のや、平衡感覚をつかさどっている前庭・三半規管へ温熱刺激が届いて内耳の血流が改善されます。その結果、耳鳴り・難聴の改善につながると考えられます。

また、めまいは内耳のリンパ液(細胞から余分な水分や老廃物を運ぶ液体)が過剰に増えてしまい、内耳で滞って悪化するといわれます。耳ツボ温熱はリンパ液の流れを改善するのにも役立つと考えられるので、めまいの患者さんにもおすすめです。

耳ツボ温熱を行った患者さんの中には、耳鳴りに加えて難聴やめまい、ひいては疲れ目や視力低下、首・肩のこり、腰痛、高血圧、便秘、冷え症など多くの症状の改善例が見られます。これは、前に述べたように耳には体の部位に対応した反射区があるため。

こうした反射区の詳細な位置は、私のような針灸の専門家なら経験と知識によって特定できますが、一般の人がいきなり探し当てて刺激するのは大変困難です。しかし、耳全体を覆うように温熱刺激をする耳ツボ温熱なら、詳細な部位を探し当てる必要がなく知らぬまに刺激されるというわけです。

冬の耳鳴りの自力対策【耳ツボ温熱】のやり方

では、耳ツボ温熱のやり方を解説しましょう。
とても簡単です。ミニサイズの貼らないタイプの使い捨てカイロを、耳鳴りや難聴のある側の耳に、輪ゴムを使って留めるだけです(下に写真でやり方も解説しています)。両手が空くので、家事をしながらでも実践できます。
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もし、カイロを耳に留めにくかったり、ミニサイズのカイロがなかったりした場合は、通常サイズの使い捨てカイロを手で持って耳全体に当てるだけでもかまいません。耳に留めると以下の写真のようになります。
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カイロが耳の前側のつけ根に当たり、耳の穴を覆うように輪ゴムを軽く巻いて留める。カイロを当てる時間は、1回につき約10分。

耳ツボ温熱を行う回数は、1日1回が目安です。内耳の奥や耳に集合するツボや反射区まで熱を届けるには、じっくりと温熱刺激を行うのが望ましいでしょう。

ただし、長時間カイロを当てつづけると、低音ヤケドを起こしたり、自律神経(意志とは無関係に血管や内臓の働きを支配する神経)の働きに異常をきたしたりする恐れもあるので、温めすぎには注意が必要です。10分以内でも、耳に熱がこもっていると感じたら耳ツボ温熱を中断しましょう。

耳ツボ温熱で耳鳴りに悩む11人全員が改善

実際に、耳ツボ温熱を行うと、「耳鳴りがほとんど聞こえなくなった」「耳のつまった感じがなくなってよく聞こえるようになった」「めまいが軽くなり、頻度が減った」などの喜びの声が続々届いています。

ある年は、耳鳴りに悩む患者さんで20代から80代までの女性9人、40代の男性2人に耳ツボ温熱を試してもらいましたが、全員に改善作用が現れました。特にひどい耳鳴りがあった80代の人でも、ほとんど気にならない程度に治まったと喜んでいます。
めまいの場合も、50代から60代までの女性3人が試したところ、全員が改善を実感しました。

さらに、60代の私自身もかつては聴力が低下し、1万2000ヘルツの音(50歳以下のほとんどの人が聞こえるといわれる高音)が聞こえにくくなりました。ところが、耳をカイロ温熱やどで刺激したところ、1ヵ月ほどで聴力が改善し、はっきりと聞こえるようになったのです。
私の経験も足すと、カイロ温熱を行った15人全員の、耳に起因する不調が改善したことになります。 

カイロ温熱は、耳鳴りのある側の耳だけ行えばいいのですが、時間に余裕があるときには、予防の意味でもう一方の耳でも併せて行ってください。また、めまいの場合は、どちらの耳に原因があるのかわかりにくいので、両方の耳を温めてください。
なお、夏でも冷房の使いすぎなどの影響で、寒冷タイプの耳鳴りや難聴が起こる可能性もあります。もしも耳介を手前に折り曲げたときに硬くこわばり、曲がりにくかったら、血流が悪くなっている可能性があります。
カイロ温熱を対策の一助にしていただき、耳の血流を改善しましょう。

記事にあるセルフケアは安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、効果効能を保証するものではありません。

写真/© Fotolia ©カラダネ

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