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【甘酒】は美容飲料。シミ・シワ・目のクマを気にする人やダイエットにおすすめ

解説 実践女子大学名誉教授
田島眞

米麹を使って手軽に作れる「甘酒(以下、麹甘酒と呼ぶ)」は、日本人の国民病ともいわれるようになった高血圧の抑制に役立つ可能性があります。

しかし、麹甘酒に備わる健康作用はそれだけにとどまりません。実は、麹甘酒は、女性の誰もが気になる美肌作りやダイエットの手助けまでも行ってくれるのです。実践女子大学名誉教授の田島眞先生に話をお聞きしました。

試験では髪のツヤもよくなった

麹甘酒に期待できる美容作用の第一は、美肌作用です。

米麹に含まれる麹酸には、シミやそばかすなどの原因となるメラニン色素を作り出すメラノサイトという細胞の活動を抑制する働きがあります。また、米麹に多いフェルラ酸やアルブチンなどの成分は、強力な抗酸化作用(活性酸素の害を抑える働き)を備えており、シミ・しわ・クスミの原因となる活性酸素(攻撃力の強い酸素)の撃退に役立ちます。

甘酒の摂取で目の下のクマが改善

s_図版)目の下のクマが改善.jpg国内の食品メーカーと東京工科大学の前田憲寿教授らが共同で行った試験では、麹甘酒を日常的に飲むことで、美容の大敵ともいえる目の下のクマが改善することも確かめられています。

試験では、40~60代の女性17人を2グループに分け、それぞれに米麹入りの甘酒と、甘酒風味の飲料(プラセボ)のいずれかを、朝晩2回、1カ月にわたってとってもらいました。その結果、甘酒を飲んだ群はプラセボ群と比較して、目の下のクマが有意に改善し、明るくなっていることが認められました。また、この試験では、甘酒を飲んだ群でのみ、髪のツヤがよくなったことも確かめられています。

実験で肥満を防ぐ作用も確認

麹甘酒に期待できる美容作用の第二は、ダイエット作用です。

米麹が作り出すビタミンB群には、食事としてとりこんだ糖質や脂質を分解してエネルギーに換え、老廃物として体外に排出する働きがあります。また、米麹に含まれる酵素が作るα─エチルグリコシドには、体重増加を抑える作用があることもわかってきています。さらに、米麹に含まれるいくつかの酵素には代謝を活発にする働きがあるため、蓄積された体脂肪をエネルギーとして燃やし、太りにくくやせやすい体作りに役立つとされています。

甘酒の投与で肥満を抑制

s_図版)甘酒の投与で肥満が抑制.jpg甘酒が肥満を抑制する作用については、国内の酒造会社が行った、マウスを使った実験で示されています。

マウスを、高脂肪食+甘酒を与える群と高脂肪食+カゼイン(たんぱく質の一種)を与える群に分け、2週間飼育しました。その結果、甘酒を与えた群では体重増加が抑えられていることがわかったのです。

腸内の善玉菌を増やし、便秘を撃退

麹甘酒には、腸内環境を整えて、肌荒れや吹き出物などの肌トラブルや肥満の元凶ともなる便秘を改善する働きもあります。

米麹には、腸内の善玉菌である乳酸菌が豊富に含まれています。しかも、米麹の乳酸菌は、さまざまな方面で注目を集める「植物性乳酸菌」。植物性乳酸菌は、人間の体内の胃酸や消化液といった過酷な環境をくぐり抜けて、生きて腸まで届く確率が高い乳酸菌と考えられています。

また、麹甘酒に多く含まれるブドウ糖やオリゴ糖は、腸内の善玉菌のエサとなります。 こうして見ると、麹甘酒は、腸内に善玉菌を届けるとともに、すでに腸内にすみ着いている善玉菌を増やすのに適した食事であるといえます。腸内の善玉菌が増加して腸内環境が整えば、便秘も自然と改善していくでしょう。

記事にあるセルフケアは安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、効果効能を保証するものではありません。

写真/© Fotolia ©カラダネ

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