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ルテインだけじゃない!白内障の予防にオススメの栄養素は[アスタキサンチン][リコピン]
白内障の予防に役立つ栄養素としてよく知られている成分はルテイン。みんさんも聞いたことはあるのではないでしょうか。ルテインとは、ホウレンソウなどに含まれる緑色の色素成分のことです。
実は、ルテイン以外にも白内障予防に役立つ、といわれる栄養素があります。
アスタキサンチンとリコピン、そしてDHAです。
それぞれの栄養素にくわしい専門家の方々に話を聞きました。
もちろん、白内障の疑いがある方は、食事を工夫するだけでなく医師の治療を受けることが重要です。
アスタキサンチンで目の網膜の血流が増えた
早速、アスタキサンチンにくわしい早稲田大学研究院教授の矢澤一良先生に話をうかがいました。
「アスタキサンチンは、カロテノイドの一種で、サケやイクラ、エビ、カニなどの魚介類に多く含まれています。カロテノイドは強い抗酸化力(攻撃力の強い活性酸素の害を抑える力)があり、特にアスタキサンチンは、抗酸化力が強いとされるビタミンEの500倍以上の強さがあります。
アスタキサンチンは、その強い抗酸化力から活性酸素によって引き起こされる目の老化現象を改善する働きを秘めているのです。
とりわけ、水晶体が酸化して白濁する白内障や、目の奥にある網膜(カメラにたとえるとフィルムの役割をする組織)の中央にある黄斑部の酸化が原因となる加齢黄斑変性症の予防・改善にアスタキサンチンの働きが期待されています」
目の若々しさを保って白内障を予防するには、目の血流アップも肝心といいます。目の血流を増やすアスタキサンチンの作用については、北海道大学の研究チームの試験があるそうです。
「この試験は、健康な20人を2グループに分け、一方のグループにはアスタキサンチンを12ミリグラム、別のグループにはプラセボ(偽薬)を4週間とってもらい、網膜全体の血流量の変化を調べたのです。
その結果、アスタキサンチンをとったグループは、2週め4週めで明らかに網膜全体の血流量が増えていました。
特筆すべきは、網膜に映し出された光や像を信号として脳に伝える視神経乳頭部の血流増加です。これは、アスタキサンチンには緑内障の進行を抑える可能性があることを示唆しています」(矢澤先生)
このようにアスタキサンチンは、白内障の予防をはじめ、さまざまな目の健康維持に役立つ栄養素といえます。
アスタキサンチンは、白内障を予防するなら1日1〜2ミリグラム(紅サケなら80グラム)を、白内障の進行予防や改善を期待するなら1日6ミリグラム(紅サケなら切り身2切れ)が目安です。
表)アスタキサンチンの多い主な食品
リコピンの多いトマト。オリーブオイルといっしょにとろう
白内障予防のために次におすすめしたいのは、赤い色素成分の「リコピン」です。
リコピンはカロテノイドの一種で、特にトマトに多く含まれていることで有名です。活性酸素(攻撃力の強い酸素)を除去する抗酸化力が強く、目の水晶体を守って白内障予防に役立つと考えられています。
ほんべ眼科院長の本部千博先生は次のように話します。
「海外では、リコピンが目の内部組織に含まれていることが発見されました。また、66〜75歳の372人を対象にした研究で、血液中のリコピン濃度が高いほうが皮質白内障の発症リスクが低下することが報告されたのです。
リコピンは脂溶性(油に溶ける性質)のため、オリーブオイルなどの油脂といっしょにとると吸収がよくなります。また、完熟したトマトは、熟してないトマトの10倍も多くリコピンが含まれているという試験結果もあります。白内障予防のためには、できるだけ完熟したトマトを使うといいでしょう」
トマトはオリーブオイルなどといっしょに火を通して食べるのもが白内障予防におすすめ
魚油のDHAを余すことなくとるなら青魚を刺身で食べよう
白内障の予防に役立つ栄養はまだあります。それは魚の油、DHA(ドコサヘキサエン酸)です。
本部先生にお聞きしました。
「私たちが物を見るとき、まず光が水晶体を通過して、網膜に当たります。そして、網膜で像が逆さまにキャッチされ、それが網膜から出ている視神経を通じて脳に送られます。つまり、網膜こそ見る働きの中心を担っている、といえるわけです。
この網膜に欠かせない栄養として注目されているのが、DHAです。DHAは、魚油という言葉のとおり青魚に豊富に含まれている脂肪酸(油の構成成分)の一種ですが、網膜にはこのDHAが大変多く、網膜の脂肪酸のうち50〜60%がDHAだとわかっています。
DHAが目の健康を守り、白内障などによる視力の低下を防ぐことは、農林水産省食品総合研究所などが行った研究で明らかになっています。
この研究では、白内障や緑内障の高齢の患者さん15人に、一日に540ミリグラムのDHAが入った栄養補助食品を毎日とってもらいました。その結果、白内障や緑内障そのものが改善したわけではないものの、DHAをとりはじめて3カ月後には、15人中10人(66.6%)の視力が向上したことがわかりました」
いかがでしょうか。DHAはアジやサバ、サンマなどの青魚に多く含まれています。網などで焼くとせっかくのDHAが油として落ちてしまうので、白内障の予防のためには刺し身やホイル焼きなどの調理法がおすすめです。
白内障は予防が何より肝心です。実は自分でできることがたくさんあります。特に食事は毎日の積み重ねですよね。
水晶体の白濁を防ぎ、白内障を進行させないためにも、この記事にあるアスタキサンチンやリコピン、DHAを積極的に食べるようにしてください。
記事にあるセルフケア情報は安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、効果効能を保証するものではありません。
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