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老眼・近視の原因は「姿勢」!? 90秒で視力が回復する可能性もある[背中枕ストレッチ]
清水真
老眼・近視などによる視力の低下や、目の病気の原因はどこにあるのでしょう。
「目にある!」と思った人は完全な正解とはいえないかもしれません。
なぜなら目以外にも原因が考えられるからです。
姿勢の研究家で、国際整体師でもあり、治療家でもある、清水真先生にお話を伺いました。
清水先生は、姿勢が関係している可能性を指摘しています。そこで、清水先生には90秒で改善も見込める、ストレッチ方法も教えて頂きました。
視力の低下と姿勢の大切さを理解した上で、試してみてはいかがでしょうか。
近視や老眼は、眼科医に診てもらうことも重要です。適切な治療を受けたうえで、記事のセルフケアを試してみてください。
ネコ背を正して目の不調が改善した
近視や老眼による視力低下は、目以外にも原因があるのではないかと私は考えています。それは姿勢の悪さです。
これまでの私の施術経験から、姿勢の悪い人は視力が低い場合が多いのです。
現在、札幌市を中心に整体院と鍼灸院を営む私はネコ背の矯正を目的とした施術を行っており、10代から40代50代以上の方まで、2017年現在、13万人の姿勢を正してきました。
その中で、ネコ背の人は視力低下や老眼、近視、飛蚊症(虫のような浮遊物が視界にうつる症状)といった目の不調を抱えている場合が多かったのです。
しかも、そうした目の不調がネコ背を矯正すると改善するケースを何度も目の当たりにしてきたのです。
実は、私自身が以前はひどいネコ背で、視力は0.04しかなくて飛蚊症も患っていました。
しかし、ネコ背の矯正を毎日続けた結果、視力は1.0まで改善して飛蚊症もよくなったのです。
首に負担がかかり視神経が圧迫
では、ネコ背と目の不調には、どのような関係があるのでしょうか。
私のこれまでの施術経験から、ネコ背で目の不調もある人の多くは首がひどくこっていました。背中が曲がっているといつも大きな負担が首にかかった状態になるのです。
私は、この「首にかかる負担」こそが目と脳をつなぐ視神経を圧迫し、目の不調を招く重大原因と考えています。
私は、視神経を圧迫している犯人は、頸椎(背骨の首の部分)の1番、2番と考えています。
この2つの骨は上部頸椎ともいい、頭の後ろ側の「ぼんのくぼ」と呼ばれる位置にあります。
ぼんのくぼは、視力改善や視神経の不調に作用するとされているツボです。
実は、頸椎の1番と2番には通常ならば骨と骨の間でクッションの役割を担う椎間板が存在しません。
頭を上下に動かしたり、左右に振りむいたりするためには大きく広い可動域が求められるからです。
そのため、首に負荷がかかると、負荷をうまく受け流せずに頸椎の1番と2番の位置がずれてしまいやすいという特徴があります。
視神経は、頸椎の1番と2番のすぐそばを通っているとされます。
ネコ背で首に負担がかかり、頸椎1番と2番がずれてしまうと視神経が圧迫されて、目から脳への情報伝達がスムーズに行われなくなってしまうと考えられます。
近視、老眼だけでなく飛蚊症の原因にもなる!?
視神経が圧迫されて、情報伝達がスムーズに行われない状態では、目のピント調節を担う毛様体筋の働きも悪くなります。すると、遠くが見えにくい近視や近くが見づらい老眼が起こるのです。
さらに、首のこりが起こると目の周囲の血流も悪化すると考えています。
血流がよくないと目に酸素や栄養が行き届かなかったり、老廃物が溜まったりして新陳代謝(古いものと新しいものの入れ替わり)が滞ります。
すると、硝子体(眼球内を満たしているゼリー状の組織)の混濁で起こる飛蚊症の原因になる可能性があります。
こうした頸椎1番と2番のずれや目の周囲の血流不足は、そのおおもとの原因であるネコ背の矯正で改善できると私は考えています。すると、実際に目の不調がよくなる人が多いのです。
そこで、私が考えたのが「背中枕ストレッチ」。
バスタオルとビニールひもで作った背中枕を用いるストレッチで、一日90秒行うだけでOKです。
実際に背中枕ストレッチを行った小学生から中高生、中高年までの多くの人から「視力がよくなった」「飛蚊症のチラつきが減った」「老眼が改善された」などの声が寄せられています。ぜひ試してみてください。
[ネコ背の4タイプ]を知って自分に適した対策を
ところで、背中枕ストレッチを行う前に知っておいてほしいのは、自分のネコ背のタイプです。
実はひと口にネコ背といっても、そのタイプは大きく4種類に分けられ、いずれも異なった部位に異変が起こっています。
4種類のネコ背は以下のとおりです。
① 首ネコ背……頭が前に突き出ているタイプ。首や肩にこりを感じやすい。
②背中ネコ背……肩甲骨の下あたりから背中が丸まっているタイプ。胃が圧迫されやすいため、食欲不振や消化不良を招く。
③ 腰ネコ背……腰のあたりから背中が丸まっているタイプ。腰痛持ちの人に多い。
④ おなかネコ背……これまでのネコ背とは逆で、腰が反りすぎているタイプ。おなかがポッコリと出ている。
また、この4種類の中のいくつかを併発している場合は、私は「複合ネコ背」と呼んでいます。
視神経を圧迫しやすい首ネコ背と背中ネコ背
目の不調と直結するネコ背は、首ネコ背と背中ネコ背です。
この2タイプのネコ背になると、重い頭部を細い首で支えなくてはならないため、首にかかる負担が増大します。すると頸椎1番と2番にズレが生じるのです。
また、腰ネコ背とおなかネコ背の人は、首ネコ背や背中ネコ背を誘発する予備群といえます。
特に、腰や背中が反っているおなかネコ背は、一般的なネコ背という言葉で連想しづらい隠れネコ背といえます。
おなかネコ背では、知らず知らずのうちに乱れた重心のバランスを正そうとして、頭を前に突き出しやすく、最終的には首ネコ背を招きます。
簡単にできる! ネコ背タイプの見分け方
自分がどのタイプのネコ背かは、壁に背中とお尻、かかとを着けて直立すれば判定できます。
この姿勢のまま、胸が視界に入る程度にあごを引いたときの体の状態で、どのタイプのネコ背かを判断してください。
首ネコ背の場合は、後頭部が壁に着かず、手の厚みほどのすきまがあくのが特徴です。
背中ネコ背の場合はあごを引くと腰が反ります。腰と壁との間に手の厚みほどのすきまがあれば該当します。
腰ネコ背だと腰が壁にピタリとくっつき、手の入る余地がありません。
おなかネコ背は、あごを引く前から、腰と壁の間に手の厚み以上のすきまがある人が該当します。
簡単!背中枕の作り方
自分のネコ背のタイプがわかったら、次に各タイプのネコ背を正すストレッチに用いる「背中枕」を作ります。背中枕を作るときは大きめのバスタオルを1枚とビニールひもを用意しましょう。
作り方は、次の図の通りです。
背中枕は直径5〜10センチ程度になるように丸めて、きつめにしばりましょう。
1日1回90秒「背中枕ストレッチ」の方法
背中枕ができたら、次はストレッチを行います。自分のネコ背のタイプに合わせてストレッチしてください。基本的には床に寝て、体と床の間に背中枕を置くことでストレッチを行います。
背中枕ストレッチはふだん自分の体が前傾している部位を見抜き、ピンポイントでゆがみを正すため、ネコ背を効率的に改善できます。なお、各ストレッチは1日当たり90秒を目安に夜1回行ってください。やりすぎは禁物です。
ストレッチといっても、積極的に体を動かすのではなく背中枕の上に横になるだけなのでとても簡単です。
いずれも力を抜いてリラックスすることを心がけてください。
目の不調に悩む人だけでなく、ふだんから姿勢の悪さが気になる人も試してみてはいかがでしょうか。
記事にあるセルフケア情報は安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、効果効能を保証するものではありません。
写真/© Fotolia ©カラダネ
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