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【おすすめ料理のレシピ付】亜麻仁油の上手な食べ方&使い方

解説 白澤抗加齢医学研究所 所長
白澤卓二

現代人の食生活で、最近、特に重要とされているのが「油のとり方」です。 

油と聞くと、毎日使っているサラダ油やキャノーラ油、ごま油、オリーブオイルなどを思い浮かべる人が多いはず。毎日使用しているにもかかわらず、塩や砂糖などのように、こだわりを持たない人が多いのは残念なことです。

というのも、実は油のとり方一つで、健康と不健康が左右される場合もあるといいます。
健康を維持するための「油のとり方」で重要なポイントは、脂肪酸(脂質の構成成分)を摂取するさいのバランス。
中でも、亜麻仁油に代表されるオメガ3脂肪酸が不足しがちだといわれています。

白澤抗加齢医学研究所所長の白澤卓二先生に亜麻仁油の上手な食べ方、使い方を紹介していただきました。



摂取する油の種類のバランスが崩れて、健康の悪化を招いている

脂肪酸の中には、オメガ6というグループと、オメガ3というグループがあります。
オメガ6には、サラダ油などに多いリノール酸が含まれ、オメガ3には魚油に豊富なDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)と、亜麻仁油やエゴマ油に多いα-リノレン酸が含まれています。

そして、オメガ6とオメガ3の摂取バランスを整えることが、健康づくりにおいてとても大切になると考えられています。しかし、現代の日本人の場合、オメガ6とオメガ3の摂取バランスは、平均すると30〜10対1といわれています。

つまり、摂取量の大半を占めているのがオメガ6で、これが健康を損なう原因になっていると指摘する研究者は少なくありません。

脂肪酸の摂取バランス

fatty-acid.jpg厚生労働省もオメガ6とオメガ3の摂取バランスは4対1が望ましいとしていますが、理想をいえば2対1、もしくは1対1に近づけたいところです。
もちろん、オメガ6も体に不可欠な必須脂肪酸なので一定量は必要です。しかし、通常の食事をしていれば不足することはありません。

理想的な摂取バランスに近づけるには、まずサラダ油の使用や加工食品を控えめにしてリノール酸の摂取量を減らし、一方でオメガ3の脂肪酸を積極的に補う必要があります。

小さじ1杯の亜麻仁油で、1日分のオメガ3が補給できる

そこで、効率よくオメガ3を補える油として活用したいのが、亜麻仁油です。

通常、油は複数の脂肪酸から構成されており、亜麻仁油の場合は60%近くをオメガ3であるα-リノレン酸が占めています。厚生労働省は、1日当たりのオメガ3摂取量の目安を、成人男性は2.0〜2.4グラム、女性は1.6〜2.0グラムと定めています。

この必要量を魚油のDHAやEPAで補うなら、サンマ一尾を丸ごと食べなければなりません。ところが亜麻仁油なら、1日に小さじ1杯とるだけで必要量を補給できるのです。

亜麻仁の成分(100グラム中)

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亜麻仁油は調味料として使うのがおすすめ

オメガ3の脂肪酸は、リノール酸などのオメガ6とは違って、摂取量が多少増えても健康を害することはありません。例えば、DHAやEPAを多く含む魚をたくさん食べたあとに亜麻仁油でα-リノレン酸をとっても、オメガ3の過剰摂取にはならないのです。

したがって、リノール酸の多いサラダ油などの使用はできるだけ控えたうえで、亜麻仁油をふだん使いの油にすれば、オメガ6とオメガ3の摂取比率は、自然と4対1に近づけられるはずです。ただし、亜麻仁油は小さじ1杯で約45キロカロリーあるので、カロリーのとりすぎが気になる人は、1日当たり小さじ2〜3杯にとどめてください。

また、亜麻仁油は150度C以下で短時間の加熱調理なら問題ありませんが、揚げ物など高温で長時間の加熱調理をするとα-リノレン酸が失われてしまいます。
そのため、亜麻仁油は炒め物や揚げ物に使うよりは、調味料のようにみそ汁やスープ、納豆、和え物、サラダ、豆腐などにかけてとるのがおすすめです。

おすすめ!亜麻仁油の食べ方

最後に、料理と合わせて、亜麻仁油を手軽に補給できるレシピを紹介しましょう。
すぐにチャレンジできるものばかりです。

亜麻仁油でさっぱり&濃厚!新感覚の冷奴

s_DMA-09g_p127uephoto.jpg豆腐に含まれる大豆たんぱくやイソフラボン、レシチンなどの成分が豊富です。血中のコレステロールや中性脂肪が気になるという人にぜひ!

●材料(2人分)
豆腐1/2丁、万能ネギ1本、カツオぶし、塩少々、亜麻仁油小さじ1~2
●作り方
①豆腐を器に盛って塩を振り、細かく刻んだ万能ネギとカツオぶしをのせる。
②❶に亜麻仁油をかける。

亜麻仁油で香味倍増のグリーンサラダ

s_DMA-09g_p125shitaphoto.jpg亜麻仁油に加えアーモンドに豊富なマグネシウムが、高血糖対策に役立つかもしれません。

●材料(2人分)
アーモンドスライス大さじ1、プチトマト4個、ベビーリーフ1/2袋、サニーレタス1~2枚、亜麻仁油小さじ1~2、A(ワインビネガー小さじ2、塩・コショウ少々)
●作り方
①食べやすく切ったプチトマトとサニーレタスをベビーリーフとともにボウルに入れる。
②❶に亜麻仁油をからめてから、Aを加えてまぜる。器に盛り、アーモンドスライスを散らす。

癖になる味!亜麻仁油&ネギ入り納豆

s_亜麻仁納豆.jpg納豆に豊富に含まれるナットウキナーゼの働きが、血栓などを防ぐのに役立つかもしれません。

●材料(2人分)
納豆2パック、添付のたれ、カラシ適宜、万能ねぎ1本、亜麻仁油小さじ1~2
●作り方
①万能ねぎは小口切りにする。
②たれ、カラシを加えた納豆を器に入れる。その上に❶と亜麻仁油を加える。

コマツナとリンゴの亜麻仁油スムージー

s_スムージー.jpg緑黄色野菜や果物に豊富に含まれるビタミンC!肌の衰えや日焼けが気になる人はご賞味あれ。

●材料(2人分)
コマツナ1/4把、リンゴ1/2個、豆乳300ミリリットル、亜麻仁油小さじ1〜2
●作り方
①コマツナは水洗いして根を落とし、リンゴは皮と種を除く。
②材料をすべてミキサーにかける。
③リンゴの甘みが足りなければハチミツ(分量外)などを加える。ハチミツの入れすぎに注意する。

最後に亜麻仁油はあくまでも食品です。病気や不調がある人は専門医の治療を受けつつ、毎日の食事の中で健康維持のために亜麻仁油を活用してください。

この記事は、医療や健康についての知識を得るためのもので、特定の見解を無理に推奨したり、物品や成分の効果効能を保証したりするものではありません。

写真/© Fotolia ©カラダネ

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