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認知症の前段階と称される[MCI]は、対策をしておけば認知症の予防に!?

解説順天堂大学大学院客員教授
田平 武

近頃「アレソレ」が増えてきた気がする。
人の名前を思い出せない瞬間がある。
自分自身やご家族にその兆しがある場合要注意です。

少しでも早くその兆候に気づくことが認知症を予防する第一歩。
そして、その兆候が、認知症の前段階といわれる、軽度認知障害(MCI)です。

順天堂大学大学院客員教授の田平武先生にくわしくお話を聞きました。記事を読み、疑いがあると思われる人は必ず専門医の治療を受けてください。

症状は現れているのに本人も家族も気づかない!MCIの脅威

軽度認知障害(MCI)とは、本人や家族から物忘れの訴えがあるものの、判断力や理解力は正常で、自立した生活ができる状態のこと。中には、物忘れがなく、注意障害だけのような場合もあります。
一般的に、認知症の中で最も多い「アルツハイマー型認知症」と診断される10年くらい前から、MCIが始まると考えられています。

しかし、実際にはこのMCIに気づくことができない人が非常に多い。なぜなら、本人ばかりか家族も「何かおかしい」と気づくほど物忘れが増えているのに、会話は成り立つし、日常生活も難なく過ごせているからです。そのため、この段階で病院に行き、検査を受ける人はあまり多くありません。そうしている間に認知機能はどんどん衰えていき、数年後には本格的な認知症へと移行してしまうのです。

ちなみに、厚生労働省の発表では、認知症よりもMCIの人は少ないとされています。これは、厳密に調べられていないためです。多くの認知症専門医が、MCIの人はもっと多いと考えています。

MCI患者の1割は健常に戻る!早期対策が認知症回避のカギ

認知症と診断された場合、進行を遅らせるのが治療の基本となり、そこから健常まで戻ることは不可能と考えられています。

認知症を発症するまでの過程

dementia-process.pngしかし、MCIの段階は違います。MCIと診断されて5年以内に認知症に移行する人が約半数に及ぶとされていますが、約1割は、健常に戻ることもわかっています。これは、MCIと診断されたことで、それまでの生活を見直して、脳を若々しくする対策を心がけた結果だといえます。

MCIの人の9割の認知機能が向上!パズルなどの脳トレ作用を大学が報告

年齢を重ねても、生活習慣しだいで脳を若々しくできる研究の一例として、東北大学の研究チームが報告した調査結果を紹介しましょう。
この調査では、65歳以上で在宅生活の男女586人を対象に、認知機能と生活習慣の関連について5年間にわたり調べました。

その結果、
●新聞・雑誌・本を読む
●トランプやマージャンなどのゲームをする
●美術館や博物館に行く
こうした知的な刺激に富んだ生活を送る人では、認知機能が全般的に高くなる期待を持てることが明らかになりました。

また、この調査の途中、対象者586人に簡単な計算問題や音読、パズルなどの脳トレを半年間続けてもらったところ、全般的な認知機能の低下が予防できたこと、そしてMCIの人でも約9割の人の認知機能が向上し、以後、その状態が維持できたことがわかったのです。

この研究はあくまで一例なので、すべてが正しいとはいえませんが、調査結果はとても興味深いものだといえます。
いずれにしても、MCIと診断された人、もしくは物忘れが急増してMCIの疑いがある人は、すぐに脳トレなどの脳を若々しくする対策を心がけてみてください。
その心がけが、将来的に認知症が発症するのか、発症しないのかの明暗を分けるかもしれません。


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この記事は、医療や健康についての知識を得るためのもので、特定の見解を無理に推奨したり、物品や成分の効果効能を保証したりするものではありません。

写真/© Fotolia ©カラダネ

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