【動画つき】便秘対策の腸ヨガのやり方。弛緩性便秘やガス腹便秘の人におすすめ|カラダネ

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【動画つき】便秘対策の腸ヨガのやり方。弛緩性便秘やガス腹便秘の人におすすめ

解説 カラダネ編集部

しつこい便秘にお悩みの人に吉報です。腸に刺激を与える「腸ヨガ」で、頑固な便秘がスッキリ改善できる可能性があるのです。

今回は、健康情報誌『わかさ』2018年8月号の腸ヨガ特集から、”弛緩性便秘”と”ガス腹便秘”の2種類の便秘対策として、「腸ヨガ」を動画付きでご紹介します。
本書では、帝京平成大学客員教授で医師の上馬塲和夫先生と、日本ナチュラルヒーリングセンター代表でアーユルヴェーダ快適自然生活家の西川眞知子先生が解説されていますので、参考にしてください。

便秘の改善には、医師の治療に加え、毎日の食生活や適度な運動が重要です。腸ヨガだけでなく、日々の生活習慣への注意も怠らないようにしましょう。




便秘改善におすすめの腸ねじりヨガとガス抜きヨガ

まずは、弛緩性便秘にぴったりの腸ねじりヨガと、ガス腹便秘向けのガス抜きヨガのやり方を動画でご覧ください。

弛緩性便秘の人は腸ねじりヨガで蠕動運動を改善しよう

大腸の蠕動運動が弱まり、便を送り出す力の低下で起こるのが弛緩性便秘。蠕動運動が弱まるのは、腸の筋肉である平滑筋の働きが悪くなって、腸がたるんでしまっているからといいます。
腸の筋肉の力を改善し、弛緩性便秘をよくする方法について、医師の上馬塲和夫先生は『わかさ』で次のように話します。

「平滑筋は、消化器や呼吸器など内臓や血管の壁にあって、緊張と弛緩をつかさどっています。腸と腸のまわりの血流が衰えると、腸につながる自律神経や平滑筋の動きが悪くなって、腸の運動がにぶるのです。

腸の血流不足は、静脈血やリンパの滞りが関係していると考えられます。特に、腸の近くに位置するバドソン静脈叢(そう)にうっ血が多発します。
バドソン静脈のうっ血の改善には、まず、深い呼吸をしておなかを大きく動かす『完全呼吸』がおすすめです。
完全呼吸は、鼻呼吸で行います。基本は、4つ数えながら息を吸い、8つ数えながら鼻から息をゆっくり吐きます。

そして、完全呼吸に加えて、腰をひねる「腸ねじりヨガ」を行えば、さらに腸の血流が改善すると考えられます。腸をねじると、脊柱管内のバドソン静脈叢がおおいに刺激されます。それだけでなく、ねじる動作によって腸も動くので、蠕動運動を促すきっかけとなるのです。さらに、便を押し出す腹筋の筋力も強まるので、腸ねじりヨガは一石三鳥の作用が期待できるのではないでしょうか。
腸ねじりヨガは、完全呼吸をしながら行ってください」

ガス抜きヨガでお腹が張って苦しいガス腹便秘がスッキリ

ガス腹便秘について解説します。

便秘に悩む患者さんでおなかが張って痛い、苦しいと訴える人がいます。これは、おなかにガスがたまることで腸の働きが妨げられる、ガス腹便秘の可能性が高いそうです。腸内にガスがたまると、その部分の腸が膨らんで硬くなるため、おなかに強い張りを感じます。また、膨らんだ腸はもとに戻ろうと収縮します。そのさい、小さなけいれんを起こすため、それが痛みとして現れるのです。

しかも、部分的な収縮が起こると、それ以外の場所の動きが悪くなり、大腸の蠕動運動そのものが低下して便秘を引き起こします。そして、便秘になると、滞留した便からガスが発生し、さらに腸内のガスが増える悪循環に陥ってしまうのです。

おなかにたまってしまったガスは、おならとして出すしか方法がありません。そこで、上馬塲先生がおすすめしているのが、腸ヨガの中の「ガス抜きのヨガ」です。

動画にもあるように、ガス抜きヨガは、あおむけに寝て、両腕で両足を抱えておなかに引きつけるポーズでおなかに腹圧をかけ、大腸にたまったガスを押し出すというヨガです。腸を折り曲げるようなこのポーズなら、肛門が解放されるのでガスがより出しやすいのです。

あおむけに寝てひざをギュッと抱えれば自然におならが出て蠕動運動が改善

西川眞知子先生は、ガス抜きヨガは、腸を折りたたむようにして、腸を緊張させたり、ゆるめたりして刺激するポーズだと『わかさ』で解説します。

重要なポイントは二つあります。一つは、「刺激を与えるのは腸だ」と、意識することです。「おなかに余分な肉がついている」とか「腰がうまく曲がらない」などと気を散らさないでください。

二つめは気持ちよくやることです。ガス抜きヨガは1分行いますが、冷や汗が出たり体が痛くなったりしたら、時間を短くしてかまいません。終わったあとにおなかがすっきりすればいいのです。

ガス抜きヨガを行えば、腸にたまっていたガスが抜けて、おなかの張りがスッと改善する人が多いそうです。緊張と弛緩をくり返す刺激で、腸の蠕動運動が促されるのです。さらにガス抜きヨガを続ければ、腹筋が引きしまる人もいます。
ガス抜きヨガは、朝起きたら寝床で行い、白湯をコップ1杯飲んでください。すぐにおならが出て腸が動き、便通が改善していくでしょう。

弛緩性便秘やガス腹便秘で悩んでいる方は、今回ご紹介した腸ねじりヨガとガス抜きヨガをぜひ実践してみてください。

この記事は、医療や健康についての知識を得るためのもので、特定の見解を無理に推奨したり、物品や成分の効果効能を保証したりするものではありません。

写真/©カラダネ © Fotolia

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