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【いぼ痔の治し方】出血を止めて痛みをらくにする温タオル活用「肛門温め」がおすすめ

解説 山田クリニック院長
山田紀彦

内痔核(いぼ痔)を患っている人は排便時に出血してしまうことがよくあります。
そんな時、肛門を温めると出血を抑えられる場合があるそうです。

温めるとかえって出血がひどくなってしまいそうな気もしますが、なぜ温めるといいのでしょうか。
肛門を温めるのがおすすめな理由と、その方法を専門医の山田先生に聞きました。

痔の人は、恥ずかしがらずに必ず専門医の治療を受けることがとても重要です。その点は忘れないでください。




いぼ痔の原因は静脈叢のうっ血?温めると痛みもらくになる

内痔核(いぼ痔)がある人は、排便時にポタポタと鮮血が便器にたれたり、お尻をふいた紙に血がついたりすることがあります。実際に、そういった経験がある人はいらっしゃるのではないでしょうか。

中には、鮮血にびっくりし、しかし病院へすぐに行けず、途方に暮れた人もいるかもしれません。そこで、いぼ痔の出血があるときは、とりあえずガーゼやティッシュペーパー、トイレットペーパーで圧迫したあと、肛門を温めてください。

内痔核は、ほとんど肛門にある静脈の塊で、炎症や排便によって静脈叢(じょうみゃくそう。静脈が網目状に集まっているところ)に圧力がかかることで、吹き出すように出血します。
このようなときは、肛門括約筋の緊張をゆるめて静脈叢のうっ血を取るのがよく、それには温めるのがおすすめです。
温めることで、静脈叢の圧力が下がり、痔の腫れも改善して出血が止まる場合が多々あります。また、患部が温まると痛みもらくになる人が多いようです。

温める方法3つ。坐薬は出血時に塗布・挿入を

肛門を温める方法には、次の3つがあります。

❶タオルで肛門を温める
うつぶせになって少し足を開き気味にします。そして、温かいタオルを10分くらい直接肛門に当てましょう。肛門括約筋がゆるみ、出血が止まりやすくなります。

❷入浴して肛門を温める
余裕がある人は、入浴することをおすすめします。肛門だけでなく全身も温まるので、より筋肉がゆるみやすく、血流もよくなりやすいので作用が大きいです。

❸カイロで肛門を温める
仕事中や外出中の場合、入浴もタオルで温めることも難しいと思います。そういったときは、使い捨てカイロをタオルやハンカチで包み、こっそり肛門に10分くらい当てて、しのいでみてください。ただし、温タオルが熱すぎたり、使い捨てカイロを長く当てすぎたりすると、低温やけどを起こす危険性があるので、十分注意してください。

なお、坐薬(軟膏)などがあれば、出血時に塗布・挿入するといいでしょう。もちろん、必ず肛門内科の専門医に治療を受けてください。それが治すための近道です。

記事にあるセルフケア情報は安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、効果効能を保証するものではありません。

写真/©カラダネ © Fotolia

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