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【めまいの原因と対策】平衡感覚を鍛えるリハビリ体操を行えば、ふらつきも改善

解説横浜市立みなと赤十字病院 めまい平衡神経科部長
新井基洋

めまいは平衡機能に支障をきたすことで起こりますが、これは小脳を鍛えるリハビリ体操をすることで改善する人が多いといいます。

まずは体操のやり方を伝える前に、小脳を鍛えるとはどういうことか?という点と、体操をするうえで大切なポイントや注意点をおさえておくことが重要です。

めまいの専門医、横浜市立みなと赤十字病院の新井基洋先生に話を聞きました。

めまいはの平衡機能に支障をきたすのが原因。体のバランスが取れなくなる

一般に、めまい治療では薬物療法が行われています。しかし、薬を飲んで安静を保っているだけでは治らない、ということも同時にいえるでしょう。
めまいやふらつきが起こったときのことを思い出してください。声をかけられて後ろを振り返ったとき、階段を上り下りしていたとき、寝返りを打ったときなど、特定の動作や状況でめまいが起こりやすいことに気づくはずです。

めまいを起こす動作や状況は人によってそれぞれ違うのに、標準的な薬を処方するだけで、すべてのめまいが治るとは思えません。私がめまい治療に理学療法(運動などによって機能回復を促す治療法)を取り入れた主な理由は、めまいを引き起こす個別の状況や動作に対して、適応力をつけてもらうためです。そのために鍛えなければいけない部位が、後頭部の奥にある小脳です。

めまいは平衡機能に支障をきたし、バランスをうまく取れなくなることで起こります。平衡機能は、目(視覚)、足裏(深部感覚刺激)、耳(三半規管)などの情報を小脳が集約することで発揮され、いわば小脳が平衡機能の司令塔ともいえる役割を担っているのです。
例えば、フィギアスケートの選手はクルッと回転しながらジャンプしたり、氷上を高速でスピンしてからピタッと止まることもできます。これは小脳が著しく発達したことによって可能になる技術ですが、すべては日ごろから行っている訓練の賜物なのです。

めまいに悩む人は運動への恐怖心がある。でも大丈夫

みなさんの場合も、小脳を鍛えることで平衡機能を高めることができます。もちろん、年齢や体力の問題があるので、フィギアスケート選手のレベルまでとはいきませんが、めまいがしなくなるレベルに平衡機能を高めることは、それほど難しいことではありません。

私たちの脳は、いくつになっても日ごろの訓練しだいで新しいことを学習できることが証明されており、これは小脳にも当てはまります。この特集で紹介するリハビリ(機能回復訓練)体操は、小脳の学習を促すのにとても効果的で、めまいが起こりやすい状況や動作に対して、バランスの左右差を調節する小脳の機能を向上させます。

具体的なやり方は別の記事で紹介しますが、その前にリハビリ体操を行ううえでのポイントと注意点を述べましょう。

めまいリハビリ体操はめまいが起こりやすい朝食前と夕食前にあえて行う

1回5〜10分程度のリハビリ体操を、1日に少なくとも3回行うのが目安です。朝食前と夕食前はめまいが起こりやすいので、あえてその時間帯に行ったほうが予防効果は高まります。ほかにもめまいの起こりやすい時間帯があれば、その時間帯もリハビリ体操を行いましょう。ただし、吐きけがする場合もあるので、食後1時間はさけてください。

めまいリハビリ体操は声を出しながら行う

前の記事(従来の薬物療法だけでは治りにくいめまい治療に、平衡機能を高めるリハビリ体操も併用したら20万人が回復)で述べたように、体操の一つ一つの動作ごとに「いち」「に」「さん」……と声を出しながら行いましょう。また、気分が落ち込んでいるときは、リハビリ体操を始める前に「私はめまいを治す! 私はめまいに負けない!」「私はふらつきを治す! 私はふらつきに負けない!」とかけ声を出せば、俄然、やる気が湧いてきます。

めまいリハビリ体操は毎日行う

最初はめまいがぶり返すこともありますが、体操に慣れるためには、さけて通れない通過点です。軽いめまいやふらつきが起こっても心配せずに続けてください。ただし、今まで経験しなかったような激しいめまいや嘔吐、頭痛が起こった場合は中断して医師の診察を受けましょう。

めまいリハビリ体操で苦手な動きこそ、毎日行う

リハビリ体操を試すと、苦手な動作やうまくできない動作も出てきますが、その動作こそめまいを起こす原因になっているので、苦手な体操を多めにくり返し、毎日続けてください。

めまいが改善しても再発予防のために毎日続ける

多少、めまいやふらつきが和らいできたからといってリハビリ体操を中止してしまうと、1週間ほどで再発する場合もあります。めまいの改善後も、1日にわずか10〜20分の体操を行うかどうかが、完治と再発を分ける決定的な差になるのです。

めまいリハビリ風景.jpg

めまいの原因には睡眠不足や疲労、天候の変化もある

以上のポイントに注意しながら、めまいのリハビリ体操に取り組んでください。
リハビリ体操は、座る・立つ・寝るの3つの姿勢に分かれ、それぞれめまいが起こりやすい動作や状況別に効果的な体操を紹介しています。なお、めまいを招きやすい要因として、次のようなこともあげられます。

めまいが起こりやすい要因

①睡眠不足
②カゼなどの体調不良
③寒さや低気圧といった天候の変化
④忙しい行事のあとなどに残る疲労
⑤家族の病気などの精神的なストレス
⑥人ごみ、特にデパートの特売場やラッシュ時の電車・バス、電車からの景色
⑦生理の前後、更年期の時期

この中には天候や生理現象といったさけられない要因もありますが、その場合は特に体調管理に注意して、めまいに備えてください。
めまいリハビリ体操の具体的なやり方は、別の記事で解説します。もちろん、めまいは専門医に診てもらうことが重要です。

記事にあるセルフケア情報は安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、効果効能を保証するものではありません。

写真/©カラダネ © Fotolia

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