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【便秘で腹痛もある】ガス腹便秘かも!? 医師考案のガス抜き運動「うつぶせゴロゴロ」で改善

解説東邦大学医療センター大森病院総合診療科教授
瓜田純久

一般的な便秘の治療法としては、食生活の見直しや運動指導、下剤の処方などが行われます。ところが、現実には下剤だけに頼っている人が多く、しだいに薬の効きが悪くなって、便秘を重症化させるケースが後を絶ちません。

便秘の原因がわからずに、下剤に頼る気持ちはよくわかります。ただし、薬に頼る前に一度試していただきたいのが、腸のガス抜きです。最近になって、腸内にたまったガスが、腸の働きを衰えさせて便秘を悪化させていることがわかりました。

この記事では、腸内のガス抜きをする方法について、東邦大学医療センター大森病院の瓜田純久教授に話をお聞きしました。

便秘を改善するためには、毎日の食生活や運動が大切です。ガス抜きを行うだけでなく、日々の生活習慣にも気を配るように気をつけてください。もちろん、便秘を軽視することなく、医師の治療を受けることも重要です。

腸内のガスだまりが便秘を招くしくみ

長年、食べ物の消化吸収について研究を重ねてきました。その中で、腸にたまったガスが腸の働きを妨げて、便秘を悪化させている事実に気がついたのです。

そこで、今から数年前に腸のガス抜きが誰でも簡単にできる「寝る前うつぶせゴロゴロ(以下、うつぶせゴロゴロと略す)」を考案しました。この体操を行うと、体の重みで腸がまんべんなく刺激されます。その結果、腸にたまったガスが先送りされ、体外に排出されやすくなるというわけです。

実は、うつぶせゴロゴロの着想を得たのは、患者さんの注腸X線検査を行っていたときでした。注腸X線検査とは、肛門から造影剤のバリウムと空気を注入し、腸の状態を調べる検査法のこと。肛門からバリウムを投与したのち空気を送り込み、大腸をふくらませてX線撮影をすると、腸の形態がはっきりわかるのです。

とはいえ、肛門から空気を注入しただけでは腸にまんべんなく行き渡りません。そのため、検査を受けている患者さんにうつぶせになってもらい、おなかをゴロゴロと揺すってもらいます。すると、腸の奥まで空気が届くのです。

この原理を応用すれば、便秘で過剰にたまった腸のガスを肛門側へ物理的に誘導し、排出することができると考えたのです。私のもくろみは見事に当たりました。この体操でガス抜きをやった患者さんは、腸の蠕動運動(内容物を先送りする働き)が促されて、便通が改善したのです。

あなたの便秘はガスが原因?簡単チェック法

あなたの便秘の原因が、腸内にガスがたまった「ガス腹便秘」によるものなのかどうかを確かめる簡単なチェック法があります。あくまで目安程度ですが、参考にしてみてください。

ガス腹便秘かがわかるチェック法

便秘の症状に加えて、以下の❶〜❸のうち、1つでも自分に当てはまり、チェックがついた人は、ガス腹便秘が疑われます。

❶おなかが張っているなどの膨満感がある

❷おならの回数が増えて、においも臭いことが多い

❸腹痛がときどき起こる

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ガス抜き運動【うつぶせゴロゴロ】のやり方

うつぶせゴロゴロは、就寝前の約10分間、うつぶせ寝をしたあとに、体を左右にゴロゴロと半回転し、腸を刺激する簡単な体操です。

うつぶせゴロゴロのやり方

s_うつぶせゴロゴロ.jpg❶フローリングや畳の上で、就寝前の約10分間、うつぶせに寝た姿勢を保つ。このとき、できる人は両腕を真上に上げるようにする。

s_うつぶせゴロゴロ2.jpg❷両腕を真上に上げて、体を左右にゴロゴロと半回転させる。このとき、全身を使って左右に転がるようにする。これを5回以上行う。

【ポイント】

  • うつぶせ時におなかを床にペタッとつけること
  • 体を左右に半回転するさいは、両腕を必ず真上に上げること
  • うつぶせゴロゴロを実践するタイミングは就寝前がおすすめ。夕食は就寝の2時間以上前に済ませておくこと

【症例報告】残便感を伴う便秘が3日で改善

以下は、わかさ夢MOOK31『便秘瞬時にスッキリ治った! 症状別 腸内フローラ若返り1分マッサージ』で2016年に紹介されたものをウェブ用に再編集したものです。

東京都に住む青木敏子さん(仮名・60歳)は、自宅の近くにある病院の心療内科でウツ病の治療を受けている患者さんです。

3年前に最愛のお母さんを亡くして以来、気分がふさぎがちで睡眠障害に悩まされるようになった青木さん。そこで、心療内科を受診したら、睡眠導入剤(ベンゾジアゼピン系薬剤)とともに下剤を処方されたといいます。

s_Fotolia_143879402_Subscription_Monthly_M.jpgベンゾジアゼピン系薬剤を服用すると、副作用で腸の運動にブレーキがかかり、便秘に陥る人が多いのです。そのため、下剤がセットで処方されたようです。案の定、睡眠導入剤を服用した青木さんは熟睡できるようになったものの、毎朝必ずあった便意がなくなりました。便通がないと下腹が張って苦しいため、4日めには下剤を服用して排便したそうです。

睡眠導入剤と下剤の服用を続けてから2カ月後、青木さんは、いつも肛門の少し奥に便が残っているような不快感を覚えるようになりました。そこで、私が務めている総合診療科を紹介されたのです。

青木さんから事情を聞いた私は、その残便感が便秘周辺症状であると、すぐにわかりました。そこで、私は、うつぶせゴロゴロをやってみるようにすすめました。青木さんは半信半疑のようすでしたが、その日から毎晩、就寝前に実行してくれたのです。

1カ月後、再診に訪れた青木さんに話を聞くと、自宅でうつぶせゴロゴロをやったら、スムーズにガスが出て3日後には残便感も便秘も改善したそうです。うつぶせゴロゴロで毎日、腸の働きを活性化しているおかげで、睡眠導入剤の副作用も少し軽くなったとのこと。下剤を服用する頻度は半分以下に減り、せいぜい週に1回くらいだそうです。

記事にあるセルフケア情報は安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、効果効能を保証するものではありません。

写真/© Fotolia ©カラダネ

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