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【バレンタインは高カカオチョコを②】歯周病菌を減らす、口臭を防ぐなど「歯の健康」維持に役立つ?

解説 栗原クリニック東京・日本橋院長
栗原 毅

チョコレートの消費量は、年間を通じて2月が突出して多いのはご承知のとおりかと思います。その理由はもちろんバレンタインデーがあるため。
ちなみに、最も多くチョコレートを食べているのは石川県と高知県とのこと。この理由は不明です。

最近、チョコレートの中でも原材料にカカオ分を70%以上含むチョコレート(以下、高カカオチョコとする)は、健康への働きが期待できることから、今大きな人気になっています。
この記事では、歯周病や口臭に対しての働きを解説します。

とはいえ、食べ過ぎは禁物です。
歯周病の疑いがある方は、歯周病科や歯科、口腔外科などを受診することが重要であることも忘れないでください。

約8割の人が歯周病??

歯周病は、国民病です。ある調査では、成人の約8割が歯周病に罹患しているという結果も出ているほど。

みなさんの中にも、気づかないうちに歯周病が進行しているという人が多いのではないでしょうか。そうした身近な病気である歯周病の対策に、高カカオチョコが役立つ可能性があります。

歯周病は、歯周病菌などが原因で歯ぐきや歯を支える骨などが傷み、重症になると歯が抜けてしまう病気です。直接の原因は歯周病菌という細菌ですが、細菌を退治するために体から生産される活性酸素(攻撃性の強い酸素)が歯ぐきを損傷し、歯周病を悪化させると考えられます。

カカオが歯周病の原因菌を減らした

チョコレートは、一般的に「歯に悪い」というイメージがありますが、高カカオチョコはその限りではありません。
高カカオチョコに多いカカオポリフェノールは、歯周病の原因の歯周病菌を減らす働きが期待できると、国内の大学の試験でわかっています。

試験では、成人男性25人にカカオポリフェノールが含まれているココアを5週間飲んでもらい、中の総菌数に占める3種類の歯周病菌の比率を調べました。結果は、3種類すべてで歯周病菌が飲用前よりも減っており、歯周病菌に対するカカオポリフェノールの有用性が示されました。

また、同じ試験では、口臭の原因物質も測定しており、こちらも減少していたことから、口臭対策にも有用と考えられます。

歯周病菌は、動脈硬化をはじめ多くの病気を引き起こす原因となると、近年の研究でわかっています。高カカオチョコに多いカカオポリフェノールで歯周病を防げれば、最終的には脳卒中や心臓病の予防にもつながる可能性もあるので、非常にうれしい働きではないでしょうか。

とはいえ、高カカオチョコにも糖分が含まれており、歯磨きなどをしないとその糖分が歯周病菌を増やすことにつながります。
その点はぜひ気をつけて、「チョコレートを食べるなら高カカオチョコを食べよう」と考えるのがベターかもしれません。

高カカオチョコに期待される健康作用については下記の記事もご覧ください。

この記事は、医療や健康についての知識を得るためのもので、特定の見解を無理に推奨したり、物品や成分の効果効能を保証したりするものではありません。

写真/©カラダネ © Fotolia

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