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認知症予防に【あずき玄米ご飯】を。3つの働きで脳の神経細胞の衰えを防ぐ

解説 あしかりクリニック院長
芦刈伊世子

認知症予防のためには、脳の神経細胞の老化を抑えることが大切ですが、毎日の食事でおいしく簡単に予防ができたらいいなと思いませんか?

この記事では、「玄米」と「アズキ」を食事に取り入れることをおすすめしています。専門医の芦刈伊世子先生がすすめる「アズキ玄米ご飯」のレシピも紹介しています。
作り方はとても簡単なので、ぜひ作ってみてはいかがでしょうか。

もちろん、食事だけで認知症を防げることはありません。食事に加え、規則正しい運動も不可欠。認知症が心配な人は、専門医に診てもらうことが何より肝心です。
その点は忘れずにお願いします。

脳の衰えを招く重大原因は「酸化」「硬化」「糖化」

脳を若々しく保つためには、脳の神経細胞を衰えさせる3つの原因「酸化」「硬化」「糖化」を抑えることが大切だと私は考えています。そのためには、玄米を主食にすることを私はおすすめしています。
まずこれら3つの原因と、玄米がその原因に対してどう働く可能性があるかを解説します。

酸化とは、物質が酸素と反応し、いわば「サビること」をいいます。
私たちが体内に取り入れた酸素の2~3%は活性酸素(攻撃力の強い酸素)となり、体内の脂質を酸化させて過酸化脂質にします。過酸化脂質が体にたまると、体中の細胞が傷つきます。
脳は60%が脂肪で構成されており、脳細胞にも影響が及んでしまうのです。酸化の害を防ぐには、活性酸素を除去する抗酸化力を強めなくてはなりません。

玄米の胚芽(はいが)とぬかには、抗酸化作用が強いポリフェノールの一種であるフェルラ酸やフィチン酸(イノシトール6リン酸)が含まれています。
また、玄米に含まれるγ-オリザノールという物質も、体内で代謝されてフェルラ酸に転換され、抗酸化作用を発揮するとされます。

次に硬化について。
人間の細胞には細胞膜があり、細胞膜のリン脂質の柔軟性が失われると、硬化が始まります。血管の柔軟性が失われれば、動脈硬化を招きます。動脈硬化で脳の血流が悪化すると、アルツハイマー型認知症の原因であるアミロイドβというたんぱく質の排出が滞ってしまうのです。

玄米には、血流を促して動脈硬化を予防する働きのあるイノシトールやγ-アミノ酪酸(ギャバ)が豊富に含まれており、たっぷり食べていると脳の毛細血管が健康に保たれると考えられます。

アズキを玄米に足して炊くと栄養バランスが高くなる!?

最後に糖化について。
食べすぎや糖質の過剰摂取で増えた体内の余分な糖がたんぱく質と結びつくと、老化促進物であるAGE(糖化最終生成物)が作られます。脳の40%はたんぱく質でできているため、AGEがたまれば、脳細胞の衰えが進んでしまいます。

AGEの害を防ぐには、余分な糖を体にダブつかせないために、GI値(血糖値が上昇するスピードを数値化した指標。グリセミック・インデックスのこと)の低い糖質をとることが有効です。白米のGI値は81ですが、玄米や雑穀米のGI値は55と低いので、AGE対策にもおすすめの主食なのです。
 
さらに、日本人が昔から好んで食べてきたアズキを玄米に入れると風味が増すとともに、疲労の改善やむくみを改善する働きも期待できます。
アズキの主成分はたんぱく質で、人間の体内では作ることができない9種類の必須アミノ酸を含んでいます。

特に、ブドウ糖の代謝を促進して集中力を高めたり、カルシウムの吸収を促したり、肝機能を活発にしたりするリジンが、アズキには多く含まれています。
リジンは、肉などの動物性たんぱく質に多いのですが玄米には少ないため、アズキといっしょに炊けば、アミノ酸バランスが非常にいい主食になります。

アズキ玄米ご飯の作り方(4~6人分)レシピ

①玄米はアズキを含めて2合。アズキは、大さじ2~3杯。
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玄米は軽くもみ洗いをする。アズキは洗わなくていい。
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③玄米とアズキを約12時間水に漬ける。水量は内釜の玄米炊きの目盛りが目安。
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④炊飯器にある玄米モードで炊飯をすれば失敗せずに炊き上がる。
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⑤炊き上がったら、軽くまぜる。
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⑥アズキ玄米ご飯は、1日茶わん1杯を目安に毎日続けるといい。
アズキ玄米ご飯6.jpgいかがでしたでしょうか。もちろん、食事だけで認知症が防げることはありません。とはいえ、食事を軽視することは認知症を招く可能性があります。
毎日の食事の中で、みなさんも取り入れてみてください。

この記事は、医療や健康についての知識を得るためのもので、特定の見解を無理に推奨したり、物品や成分の効果効能を保証したりするものではありません。

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