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【専門医解説】外反母趾・足裏痛は「竹踏み」で自力対策!足裏強化で治そう

解説済生会川口総合病院 皮膚科主任部長
高山かおる

外反母趾や足裏の痛みで悩む人、多いですよね。もちろん、重症の人は病院で診てもらうのが基本です。
この記事では、自分で外反母趾や足裏の痛みをケアする方法を専門医にお聞きしました。
すると、昔からある健康法「竹踏み」が予防と治療に役立つ可能性があるといいます。

皮膚科専門医の高山かおる先生にご解説をいただきました。

まずは竹踏みのやり方から

外反母趾などを招く原因や、なぜ竹踏みがいいのか?などについて解説する前に、まずは「竹踏み」のやり方を紹介しましょう。
竹踏みの竹は市販されています。
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①つま先部分(足指と足指のつけ根)を竹の上に乗せて、かかとを少し浮かせて足裏に体重をかける。このとき、足指を竹のカーブした部分に巻きつけるようにすると、足指の筋肉が鍛えられると同時に、足指のつけ根の筋肉がよくほぐれる。

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②土踏まずの部分を竹のカーブした部分に乗せて、しっかり踏み込んでほぐす。足裏が硬い人は土踏まずの内側の筋がピンと張っているので、それをほぐすようにグリグリ押しつける。

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③最後は、竹の上にかかと部分を乗せる。このとき、つま先を少し浮かせると、よりかかとに圧をかけることができる。

足裏にはアーチがある

ではいったい、なぜ竹踏みで外反母趾や足裏痛が防げるのでしょうか。そのことを理解するためには、足裏のアーチについて知る必要があります。

私はこれまで10年以上にわたって数多くの患者さんの足のトラブルを見てきましたが、そのほとんどに共通しているのが、足裏のアーチがくずれているということです。
私たちの足は、合計28個の骨でできています。それらの骨が、腱や筋肉でつながって、第1指(親指)のつけ根、第5指(小指)のつけ根、かかとの3点を基点に足裏が弓状のアーチを描くように配列されています。

具体的には、第1指のつけ根とかかとを結ぶラインを「内側の縦アーチ」、第5指のつけ根とかかとを結ぶラインを「外側の縦アーチ」、そして第1指から第5指までを横に結ぶラインを「前方の横アーチ」と呼び、これらによって足裏にかかる重心を3点に分散させてバランスを保っているのです。

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また、これらの足裏のアーチには、歩行をスムーズにするためのバネの役割、さらには衝撃を和らげるクッションの役割もしています。
例えば、歩いているときは足が地面から強い衝撃を受けています。走ったりジャンプしたりすれば、その衝撃は何倍にもなります。
足裏のアーチでこれらを吸収して足にかかる負担を軽減させているのです。

足裏のアーチがくずれると開張足や扁平足になる

足裏のアーチがくずれる原因は、不適切な歩き方によって足裏の筋力が低下しているか、もしくは足裏の筋肉の偏った使い方で、筋肉の疲労が蓄積しているかのどちらかです。

いずれにせよ、足裏のアーチは筋肉と腱と靭帯で支えられているので、それらのバランスがくずれると、まるで橋が落ちてしまうようにアーチがつぶれてしまうのです。

3つのアーチの中で最もくずれやすいのは、前方の横アーチでしょう。横アーチがくずれると、足がベタッと横に開く「開張足(かいちょうそく)」になります。
開張足は見た目ではわかりにくいですが、実は、女性の約90%に開張足の傾向が見られます。女性はもともと筋力が弱いうえ、デザイン重視の足に合わない靴で常に足裏を酷使しているからです。

足の親指とかかとを結ぶ内側の縦アーチは土ふまずを形成するアーチで、これがくずれた状態を「扁平足(へんぺいそく)」といいます。
扁平足の人は、かかとの骨が内側に傾いて、足にうまく体重をかけることができず、体がゆらゆらして、片足立ちをしにくいのが特徴です。腰が左右にゆれてひざが内側に倒れるナヨナヨ歩きになり、外反母趾を戻きやすくなります。

開張足や扁平足が外反母趾、足裏痛を招く

足裏のアーチがくずれる開張足や扁平足の人が、ハイヒールのような窮屈な靴をはくと、足指に過度の負担がかかります。
その足指を固定した状態が続けば、外反
(足の第1指のつけ根の骨が外側に突き出た状態)や内反小趾(足の第5指のつけ根の骨が外側に突き出た状態)、ハンマートウ(足の第1指の骨が、くの字に曲がって固まった状態)などの足指の変形が始まります。

加えて、足底筋膜炎も開張足や扁平足が原因で起こるケースがあります。
足底筋膜炎になると、土ふまずからかかとにかけて痛みが生じます。ひどくなると(骨が増殖しトゲ状になったもの)ができて、痛みが強まり、歩行に影響をきたすので要注意です。

ほかにも、開張足や扁平足を放置すると、歩くさいの衝撃を足だけで吸収、分散させることができなくなり、ひざや関節、背骨に余計な負荷がかかるようになります。
その結果、ひざ痛や股関節痛、腰痛などに発展することも珍しくありません。実際に、ひざ痛や股関節痛、腰痛、肩こり、首痛の患者さんの足部を診察すると、多くの人になんらかの足のトラブルが見つかっています。

足裏のアーチが竹踏みでよみがえる

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編集部が見つけた竹踏み用の竹。雑貨屋さんで売っていました

そこで、開張足や扁平足の予防と改善に簡単にできておすすめな方法が、日本古来の健康法としてみなさんご存じの「竹踏み」です。

足裏のアーチがくずれていると、足裏にかかる負担が増大し筋肉が硬くなってしまいます。竹踏みを行うと、緊張した筋肉がほぐれて軟らかくなるのです。
するとよどんでいた血流やリンパの流れが促されるので、足の疲れも取ることができます。そして、まんべんなく足裏を刺激しつづければ、使われずに衰えていた足指の筋肉がよみがえり、足裏のアーチが作られます。

たとえ足裏のアーチが完全になくなってしまっていても、足指の筋肉を鍛えて強めれば、アーチの代わりになって足裏の働きを補助してくれます。筋肉は使わずにいると、どんどん衰えて硬くなってしまいます。

竹踏みは足裏がほぐれた感じがするまで、1回5〜10分が目安です。いつ行ってもかまいませんが、1日最低1回は行いましょう。

足裏が硬くなっている人は最初、かなり痛みを感じるかもしれませんが、毎日続ければ、痛みは痛気持ちいい感覚に変わってきます。竹踏みを続ければ、足裏がほぐれて足が上手に使えるようになります。姿勢や歩き方も改善しやすくなるので、関節痛の進行を食い止めることにもつながっていくでしょう。
ぜひ、試してみてください。

最後に、外反母趾や足裏痛がある人は病院で必ず診てもらうことが肝心です。そのことは忘れないでください。

この記事は医療や健康についての知識を得るためのもので、特定の見解を無理に推奨したり、物品や成分の効果効能を保証したりするものではありません。

写真/© Fotolia ©カラダネ

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