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銀杏(ぎんなん)は夜間頻尿の対策におすすめ。冷えが取れて尿漏れの予防にも

解説横浜創英短期大学名誉教授
則岡孝子

銀杏(ぎんなん)の季節になりました。野菜・果物の専門店や、道の駅で売られているのを見かけます。

銀杏は、いわずと知れたイチョウの種子のこと。殻を割って出てくる中の仁を食用とし、その独特のモチモチ食感が人気の秘密です。余談ですが、銀杏は古くなると水分が抜けて中が黄色くなります。加熱したとき、透明感のある緑色のものは新鮮な証拠といわれます。

銀杏は強いにおいがあるのも特徴。そのにおいがあることで、銀杏が「好きな人・嫌いな人」がハッキリしている印象がありますね。
ところで、銀杏は実は昔から夜間頻尿の対策におすすめといわれてきたのをご存じですか?
栄養学の専門家である則岡先生に話を聞きました。

銀杏の薬効は、世界的な薬学書にも記されるほど

まずは、銀杏がとれるイチョウですが、もともとは中国原産の植物とされ、かなり古くから食用として栽培されていたそうです。
また、中国の明時代(1368〜1644年)に作られた有名な薬学書『本草綱目(ほんぞうこうもく。下のコラム参照)』にも、さまざまな薬効が記されていることから、かなり昔からその薬効が知られていたことがわかります。
本草綱目とは?
中国で発達した医薬についての学問を「本草学」といいますが、本草綱目は、この本草学の中で最も内容的に充実した書物とされています。
明時代の学者の李時珍(りじちん)が編集したとされ、16世紀を代表する世界的な書物として、さらに後世に伝えるべき価値のある書物として、国連の文化機関であるユネスコから「世界の記憶」に登録されました。
日本には1607年に伝わったとされ、徳川家康にも献上されたといいます。

中国でも日本でも、昔から頻尿の対策にすすめる

本草綱目に書かれた薬効について具体的にいうと、銀杏は咳(せき)を鎮めて頻尿を抑える働きがあるとされます。
もともと中国医学においては、腎気不固(じんきふこ)という体質の改善に役立つとされ、古くからめまいや耳鳴り、手足の冷えのほか、夜間頻尿や尿漏れの治療に利用されてきました。

さらに、中国医学が日本で独自に発展した「漢方」の世界では、銀杏は白果(はくか)と呼ばれ、生薬(下コラム参照)の一つとして利用されています。滋養強壮や咳止め、夜間頻尿や夜尿症に効果があるとされています。

実際に、夜尿症の子供には焼いた銀杏を食べさせるという風習がありますが、これはこうした伝統的な医学の中で培われたものだというのがおわかりいただけるでしょう。
生薬とは?
動植物や鉱物などをそのまま用いるか、一部を加工して用いる薬のこと。主に体質の改善を目的に用いられます。世界各地の伝統医学では、今もたくさんの生薬が使われています。
漢方の世界では、陳皮(みかんの皮)、乾姜(ショウガ)などがよく知られるところです。

なぜ効くの?【ギンコライド】が体を温めるため

では、銀杏が夜間頻尿などの尿トラブルに効くのはいったいどのような成分によるのでしょうか。

これについては、はっきりとはわかっていません。
とはいえ、近年の研究によって、銀杏にはギンコライドという特有の成分が含まれていることが知られるようになりました。

ギンコライドは、血流を促して体を温める働きが強力とされ、ヨーロッパでは血行障害の薬としても使われているほど。おそらくは、このギンコライドの働きによってさまざまな尿トラブルの改善に役立っているものと考えられます。
Ginkgo biloba with nocturia3.jpg
夜間頻尿をはじめ、尿トラブルに悩んでいる方は今が旬の銀杏を予防のために食べてみてください。ただし、銀杏は食べ過ぎるとおなかを壊すなどの中毒症状があります。
もちろん、人それぞれの体質によりますが、大人の場合は1日に10〜20粒程度を目安にしてください。

最後に、銀杏はあくまでも食品であり薬ではありません。適量の銀杏を、食事の中で楽しみながら健康維持に役立てることが大切です。


記事にあるセルフケアは安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、効果効能を保証するものではありません。

写真/© Fotolia ©カラダネ

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