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コーヒーは【ブルーマウンテン】がおすすめ。脳梗塞や心筋梗塞のリスクが減る?

解説実践女子大学名誉教授
田島 眞

私たち日本人に広く親しまれているコーヒー。なんと日本は、ブラジル、ドイツ、アメリカに次ぐ世界第4位の消費国だといいます。

ところでコーヒーというと、「結局は体にいいの?悪いの?」という疑問がよく聞かれます。その疑問の答えは、適量さえ守ればコーヒーは健康づくりに役立つと考えられます。
実際、国立がん研究センターの調査でも、コーヒをよく飲む人は、死亡リスクが低下することがわかっているとか。

食品学にくわしい田島眞先生に話を聞きました。

心筋梗塞や脳梗塞で亡くなるリスクが4割減!

早速ですが、国立がん研究センターの調査は1990年と1993年に全国10都府県に住んでいた人のうち、ガンや循環器疾患を患っていなかった40〜69歳の男女約9万人が対象になりました。

調査対象者を、コーヒーを飲む量に応じて「ほとんど飲まない」「1日1杯未満」「1日1〜2杯」「1日3〜4杯」「1日5杯以上」の5グループに分け、その後の全死亡数およびガンや心疾患などによる死亡数を2011年まで約19年間に渡って追跡調査しました。
なお、この追跡調査中に、12874人の死亡が確認されました。

結果は、コーヒーをほとんど飲まない群を基準として比べた場合、ほかの群の全死亡リスクがそれぞれ有意に低いことが判明したのです。特に、コーヒーを1日3〜4杯飲む群の全死亡リスクは、ほとんど飲まない群に比べて24%も低いことがわかりました。
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さらに、死因別の死亡リスクを分析したところ、コーヒーを1日3〜4杯飲んでいる人は心疾患(心筋梗塞など)や脳血管疾患(脳梗塞など)で亡くなるリスクが少なく、ほとんど飲まない人に比べて4割も少なかったそうです。

もちろん、これはあくまでも調査ですのでコーヒーの効果を保証するものではありません。

血栓を溶かす酵素を活性化する働きがある?

脳梗塞や心筋梗塞、肺塞栓といった血管のつまりで起こる病気の予防に、コーヒーがどのように作用したのでしょうか。倉敷芸術科学大学教授の須見洋行先生が調べた試験があります。

血管のつまりで問題になるのが血栓(血の塊)です。血栓は血小板などが集まってできたもので、ケガなどで傷ついた血管壁の内側にくっついて、血液の流出を防ぐ働きがあります。
通常、止血が終われば血栓は溶けてなくなりますが、年齢を重ねて動脈硬化が進むなど、なんらかの原因で血栓が溶けずに残る場合があります

すると、それが血流に乗って体内を巡り、やがて血管をつまらせて前述の病気を招くと考えられています。

須見先生たちの研究によると、コーヒーには血栓を溶かすt-PAという酵素の分泌を促す働きがあるとわかりました。この研究では、ブルーマウンテンやキリマンジャロといった10種類のブランドの生コーヒー豆を用意し、1分間、熱抽出したあとでヒイラ細胞(人の子宮から採取されたガン細胞)に加えて培養し、t-PAの分泌の活性を調べたそうです。
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すると、ブルーマウンテンや雲南(うんなん)、キリマンジャロなどのブランドは、上のグラフのようにt-PAの分泌の活性度を表す値が水と比べておよそ29〜35倍も高かったのそうです。

ブルーマウンテンや雲南とは?
ブルーマウンテンとは、中央アメリカ・カリブ海にある島国「ジャマイカ」にあるブルーマウンテン山脈の一部地域で栽培されたコーヒー豆のブランド。雲南は、中国の雲南省の地域で栽培されたコーヒー豆のブランドのこと。キリマンジャロは、タンザニアにあるアフリカ大陸最高峰のキリマンジャロ山の麓の町で栽培されたコーヒー豆のブランドのこと。
つまり、コーヒー豆のブランド名は、産地(生産地や集積・出荷地)に基づいており、豆の品種とは違うことがおわかりいただけるでしょう。
ちなみに、コーヒー豆の品種はアラビカ種とロブスタ種が2大品種とされ、上記の3ブランドはアラビカ種が多いそうです。

クロロゲン酸やカフェインなどが総合的に働く

実をいうと、コーヒーのどの成分が血管のつまりを防ぐかについては、まだはっきりとわかっていません。

とはいえ、コーヒーに含まれているクロロゲン酸やカフェインなど、有用な成分が総合的に働いているのは間違いないでしょう。
特にクロロゲン酸は、コーヒーのポリフェノール(植物の苦み成分の一種)の一種。コーヒー豆の色と香り、酸味のもとになっている成分です。

クロロゲン酸には抗酸化作用(攻撃力の強い活性酸素を除去する働き)が備わっており、動脈硬化や脳卒中、糖尿病などを招くとされる活性酸素の害から細胞を守る働きが期待できます。
また、糖新生(糖質以外の物質から体内で糖を作り出すこと)を抑えたり、インスリン(血糖値の調節をするホルモン)を促したりして血糖値の上昇を防ぐ働きのあると知られています。

そのほかにも、肝臓に蓄積した中性脂肪や悪玉(LDL)コレステロールを減らす働きがあるため、糖尿病や脂質異常症(血液中の悪玉コレステロールや中性脂肪が異常に増えた状態)の予防にも役立つと考えられます。

1日3〜4杯を目安に飲もう

いかがでしょうか。

前に述べた調査結果からいうと、コーヒーを1日3〜4杯飲むことは健康づくりに役立つことがおわかりいただけたでしょう。もちろん、飲み過ぎは禁物ですが……。
クロロゲン酸やカフェインなどが総合的に働き、全死亡リスクや心疾患などの死亡リスクが低くなるのではないかと考えられます。

そしてコーヒーを飲むなら、ぜひブルーマウンテンやキリマンジャロといったブランドをお試しください。私も、コーヒーが大好きでブルーマウンテンなども飲んでいます。
これまで大病をしたことがないのも、コーヒーをふだんから飲んでいることが影響しているのかもしれません。

とはいえ、コーヒーは単なる食品ですので、飲むと病気が確実に防げるわけではないですし、病気が治るわけではない点はご理解ください。

記事にあるセルフケアは安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、効果効能を保証するものではありません。

写真/© Fotolia ©カラダネ

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