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期外収縮予防の運動には脈正しマッサージ|左肩甲骨内側のコリほぐしで治る

解説安田医院院長
安田譲

期外収縮は、年を重ねることでほとんどの人に起こる、ごく一般的な不整脈です。多くは心配のいらないものですが、症状によっては放置してはいけない場合もあります。
そんな不快で不安な「期外収縮」について、安田医院院長の安田譲先生に話をお聞きしました。

【期外収縮】症状と種類

期外収縮で現れる症状とは

不整脈の中で、発症数が最も多いのが「期外収縮」。期外収縮が起こると、「心臓がドキンとする」、「脈が飛ぶ・抜ける」といった症状が現れます。これは、心臓内の心房や心室が通常よりも速く収縮して、正常な心拍よりも早めのタイミングで余分な心拍が生じるためです。

しかし、こうした症状に全く気づかない人もいて、健康診断などを受けたときに、期外収縮が見つかることが少なくありません。期外収縮が起こるしくみや症状をくわしく知りたい方は、次の記事(【脈拍で気づく】期外収縮の症状)をクリックしてご覧ください。

期外収縮は3種類に分類される

期外収縮は、異常な電気信号が作られる場所によって、3種類に分類されます。異常な電気信号を心房から発するものを「心房性期外収縮」、心臓の中心部にある房室接合部から発するものを「房室接合部性期外収縮」といい、この2つを合わせて「上室性期外収縮」と呼びます。上室性期外収縮は、異常な電気信号によって通常より早いタイミングで心房の収縮が起こりますが、多くの場合、自覚症状はありません。

期外収縮にはもう一つ、心室で異常な電気信号を発する「心室性期外収縮」があります。血液をためて全身に送り出す働きを担う心室が早いタイミングで収縮するため、血液を十分に送り出せなくなります。すると、次の拍動は通常よりも多くの血液がたまってから送り出されるので、脈が一瞬飛んだり、ドキンという拍動を強く感じたりするのです。

実は、この心室性期外収縮は、放置しておくと危険状態に陥ることもあるんです(くわしくは「要注意!期外収縮の危険なタイプ」へ)。

期外収縮の重大原因は「左肩甲骨内側のコリ」?

私は、神経内科の専門医として30年以上にわたって自律神経の働きが乱れて起こる「自律神経疾患」の診療に携わってきました。期外収縮も、自律神経の乱れが大きく関係している場合があり、乱れを正すことで改善することが少なくないのです。

患者さんの中には、どうしても不整脈の原因がわからず、多くの病医院の診察を受けてきた人もいます。そのような患者さんを診ているうちに、私はあることに気づきました。
それは、「背中には内臓と1対1に対応する領域がある」ということ。長年の診察の結果、患者さんの背中をさわるだけで、どの部位が悪いのかがすぐにわかるようになったのです。

例えば、ぜんそくの患者さんは、発作中、右側の肩甲骨内側がひどくこっていて、症状の回復とともに軟らかくなります。背中のその部位は、ちょうど肺に対応した領域なのです。

一方、不整脈や狭心症の患者さんは、発作のときに左肩甲骨の内側にコリがあり、症状の回復とともに軟らかくなります。こうして私は、全身の臓器に対するポイントが背中にあると考えて、「バック・ホムンクルス(背中の小人)」という自作の図をもとに治療に取り組んでいます。

期外収縮の重大原因になる「コリ」の場所

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左肩甲骨内側のコリをほぐす「脈正しマッサージ」のやり方

背中の左肩甲骨内側にコリができるのは、自律神経の乱れと体の重心のバランスが偏っているためです。本来、重心が正しい位置にあれば、利き足と非利き足にかかる力の比率は6対4になります。
しかし、不整脈に悩んでいる人はその比率が7対3くらいになっていることが多く、それを正してあげると期外収縮から解放されます。そのための運動が、私が開発した「脈正しマッサージ」です。

まずは、500ミリリットルの空のペットボトルと、200ミリリットルの水を用意してください。

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脈正しマッサージのやり方

s_脈正しマッサージ.jpg❶水を入れたペットボトル(見えやすいように水に色をつけています)を逆さまにして、その底の部分を、左手の親指と小指だけを使って持ちましょう。親指と小指ではさんで、つまみ上げるように持ちます。
❷次に、ゆっくりと前後に振ります。前に1秒、後ろに1秒くらいのスピードで、1分間かけて30回行いましょう。30回で1セットとして、1日に3セット行のが理想的です。

【効力アップ】湿布療法のやり方

s_湿布療法.jpg上の写真のように、「背骨より左側の腰の部分」「ひざ裏の上部で、やや内側」の2カ所に湿布を貼ります。湿布は冷感タイプのパップ剤(※パップ剤とは白いシートにネバネバした薬剤が塗られた厚いタイプの湿布)を使用してください。
1日中貼りっぱなしでも問題ありません(皮膚がかぶれやすい人や鎮痛薬過敏症の人は行わないようにしましょう)。

【体験談】交通事故後、頻発していた期外収縮が改善

京都府に住む吉川今日子さん(仮名・74歳)は、交通事故で鎖骨を骨折したことをきっかけに、期外収縮を発症した患者さんです。

ある日、激しい発作に襲われて救急車で運ばれたそうですが、搬送先の病院では「良性の不整脈だから大丈夫」といわれ、薬を処方されただけだったといいます。安全といっても、発作が起これば誰しも不安なもの。吉川さんは特に恐怖心が強く、くり返す発作がストレスとなって、症状がどんどん悪化していったようです。

2015年9月に、私の医院に来院したときには、期外収縮に加えて重い肩こりまで発症していた吉川さん。早速、左肩甲骨の内側の状態を調べてみると、やはりカチコチにこっているのがわかりました。肩にケガをすると、体の重心のバランスが右に偏ることが多く、この状態を放置すると左肩甲骨の内側に強いコリが現れます。
また、心臓に影響する自律神経のバランスも乱れるため、期外収縮などの不整脈の発作が起こるようになるのです。

特に、吉川さんは心配症の性格だったこともあり、不安な気持ちも手伝って、病状がどんどん悪化していったようです。発作の回数が増えると、息切れやめまいなども頻発するようになり、生活に支障を来すようになります。

私は吉川さんに脈正しマッサージのやり方と、生活上の注意点を細かく指導しました。そして、効力アップのための湿布を貼ったところ、胸の苦しみがなくなり、身体が軽くなったようだと驚いていました。その日から発作の回数がグッと減り、息切れなども現れなくなったそうです。

吉川さんの場合はコリが強かったので、完全に治るまでには半年を要しましたが、今ではすっかり発作も治まり、元気に楽しく毎日を過ごしているということです。

要注意!期外収縮の危険なタイプ

冒頭で、期外収縮の多くは心配のいらないものといいましたが、中には注意しなければならないタイプがあります。それが、「心室性期外収縮」です。狭心症や心臓病がある人は、心室性期外収縮を放置すると危険な不整脈の心室頻拍・心室細動につながりやすいと考えられます。

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また、期外収縮が頻発すると、心臓から送り出される血液量が減り、脳が一時的に血流不足になって、めまいや失神が起こります。めまいに加え発作が頻発する場合には心室頻拍に進んでいる疑いがあるので、すぐに治療を受けてください。

記事にあるセルフケア情報は安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、効果効能を保証するものではありません。

写真/© Fotolia ©カラダネ

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