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心房細動の予防にいい食事|専門家厳選の心臓を強くする作りおきおかず

解説カラダネ編集部

心房細動をはじめとする不整脈に悩んでいる人にぜひ食べてほしいのが、心臓にいい食材をたっぷり使った、作りおきおかず。作りおきすれば、レシピを考える手間がなく、毎日、手軽に不整脈予防の食事ができます。

今回は、心房細動や心室細動、狭心症、心筋梗塞など複数の症状に役立つ厳選レシピを紹介しています。どの症状になぜ効くのかなど、実践女子大学名誉教授の田島眞先生にくわしく話をお聞きしているので、参考にしてください。作りおきおかずの冷蔵庫での保存期間は2〜4日ですが、必ず食べる前に傷んでいないかを確認するようにしましょう。

心房細動の発症リスクを下げるレシピ一覧

心房細動は、心臓の上部にある心房を収縮させる電気信号が乱れ、拍動(心臓が周期的に収縮運動をすること)が速くなることで起こる不整脈の一種です。脳の血管をつまらせて、脳梗塞を招く可能性もある危険な病気です。
心房細動についてくわしくは(心房細動の原因|高血圧や糖尿病の人は危険大、症状のサインは動悸や胸の痛み)の記事をクリックしてご覧ください。

そして、心房細動を防ぐ食事療法として大切な食材が、「オリーブオイル」です。心房細動をはじめ、狭心症や心筋梗塞の予防にもつながる、オリーブオイル活用のレシピをまずはご紹介します。

強心レシピ❶牛肉のトマト煮込み

s_トマト煮込み.jpg心房細動・狭心症の人におすすめ主菜

【材料(2人分)】

牛もも肉…600グラム、玉ねぎ…1個、ニンニク…1かけ、オリーブオイル…大さじ4、ホールトマト…1缶(400グラム)、赤ワイン…1/2カップ、塩・コショウ・小麦粉…適量

【作り方】

❶ニンニク、玉ねぎはみじん切りにする。牛肉は一口大に切って塩、コショウを振り、小麦粉を薄くまぶす。
❷圧力鍋にオリーブオイル半量を熱し、牛肉の表面を焼きつけて取り出す。ニンニクと残りのオリーブオイルを加えて香りを出し、玉ねぎを加えて炒める。
❸牛肉を戻し、赤ワインを加えて沸騰させる。トマトを加えてふたをし、圧力がかかったら弱火にして15分、火を止めてそのまま圧を抜く。
❹ふたを取って10分ほど煮詰め、塩、コショウで味を調える。冷ましてから冷蔵庫に入れる。
普通の鍋で作る場合は、トマトを加えるさいに、水を1/2カップ加え、1時間ほど煮込む。

強心レシピ❷パプリカとナス、ズッキーニの南蛮漬け

s_南蛮漬け.jpg心房細動・心筋梗塞の人におすすめ副菜

【材料(2人分)】
パプリカ…1/2個、ナス…2個、ズッキーニ…1/2本、漬け汁(玉ねぎ…1/4個、鷹の爪〈輪切り〉…少々、酢・水…各大さじ4、砂糖・醤油…各大さじ2、こんぶ茶…小さじ1、塩・コショウ…各少々)

【作り方】
❶パプリカは7~8ミリ幅の棒状、ナスとズッキーニは3~4センチの放射線状の棒状に切る。ナスは水にさらす。玉ねぎは薄切りにする。
❷揚げ油(分量外)に水けを切ったナスとズッキーニを入れて火にかける。温度が上がって揚がってきたらパプリカを加えて揚げ、油を切る。
❸漬け汁の材料をすべて鍋に入れてひと煮立ちさせ、熱いうちに②を入れて漬け込む。冷ましてから冷蔵庫に入れる。
揚げ油をピュアオリーブオイルにすると、さらに効力アップが期待できる。

強心レシピ❸もち麦とクリームチーズのマリネ

s_もち麦クリームチーズのマリネ.jpg心房細動・心筋梗塞の人におすすめ副菜

【材料(2人分)】
もち麦…1/2カップ、水…3/4カップ、パプリカ…1/2個、クリームチーズ…100グラム、オリーブオイル…大さじ3、ワインビネガー…大さじ2、塩・コショウ…各少々

【作り方】
❶もち麦に水を加えて普通に炊き、冷ます。パプリカ、チーズは1センチ角に切る。パプリカはさっとゆでて冷ます。
❷ボウルにもち麦、パプリカ、チーズを入れる。オリーブオイルを絡めてワインビネガーを加え、塩、コショウで味を調える。冷蔵庫で保存する。
もち麦は多めに炊いて密閉袋で冷凍すると、いつでも手軽に取れて便利。

強心レシピ❹オリーブともち麦、紫玉ねぎのサラダ

s_もち麦と紫タマネギのサラダ.jpg心房細動・心筋梗塞の人におすすめ副菜

【材料(2人分)】
もち麦…1/2カップ、水…3/4カップ、ブラックオリーブ…12粒、紫玉ねぎ…1/2個、オリーブオイル…大さじ3、トマトペースト…大さじ1、レモン汁…大さじ2、塩・コショウ…各少々

【作り方】
❶もち麦は水を加えて普通に炊き、冷ます。オリーブは輪切り、紫玉ねぎはスライスする。
❷①をすべてボウルに入れ、オリーブオイルとトマトペーストを絡めて、レモン汁、塩、コショウで味を調える。冷蔵庫で保存する。
緑と黒のオリーブの違いは熟成度。緑は若い実で完熟すると黒になる。実に含まれるオイルの量は黒のほうが豊富。
もち麦などに多いマグネシウムは、乳酸菌やクエン酸といっしょにとると吸収力アップ!

心房細動の発症リスクが約4割減|オリーブオイルの真価

そもそも心房細動が起こるのは、心房筋の老化現象の一つと考えられており、年を重ねるほど発症しやすく、年々患者数は増えています。しかし、老化現象のため、これまで発症を予防する有効な方法はないとされてきました。

ところが、スペインのプレディメド研究と呼ばれる追跡調査を後づけ解析した結果、オリーブオイルをとっていると心房細動の発症率が下がることがわかったのです。追跡調査は、55歳から80歳で、追跡開始の時点で心房細動を発症していない6705人を対象に平均4.7年間の長期にわたって行われたものです。

調査では、オリーブオイルを積極的に(エクストラバージンオリーブオイルを1日に50ミリリットル以上)摂取するグループ、ナッツ類を積極的に摂取するグループ、オリーブオイルなど植物油は1日スプーン2杯以下のグループの3つに分けました。その結果、オリーブオイルを積極的にとったグループは、とっていないグループと比べて心房細動の発症率が38%と明らかに低下していることがわかったのです。

このような試験結果から、心房細動を防ぐには、1日スプーン2杯以上、できれば3杯(50ミリリットル)以上のオリーブオイルをとればいいといえそうです。

また、オリーブオイルは、動脈硬化(血管の老化)を防ぎ、狭心症や心筋梗塞などの冠動脈(心臓の筋肉に血液を送る血管)疾患の予防にも役立つとわかっています。体にいいといっても、とりすぎればほかの油と同様、摂取カロリーが多くなってしまいます。今使っているサラダ油などをオリーブオイルにできるだけ切り替えることから始め、足りない分をプラスするといいでしょう。

s_エクストラバージンオイル.jpg市販されているオリーブオイルにはいくつか種類があり、できれば調査でも使用されていたエクストラバージンオイルを使用してください。オリーブオイルは熱に強いので、サラダのドレッシングやマリネのほか、揚げ物や炒め物にも活用できます。なお、揚げ油に使うさいには、ピュアオリーブオイルのほうが向いています。
(解説:実践女子大学名誉教授 田島眞)

心室細動・狭心症などの発症リスクを下げるレシピ一覧

続いては、不整脈の中でも最も危険とされる「心室細動」や、狭心症、心筋梗塞などを予防するレシピを一挙にご紹介します。ちなみに、心室細動の予防に大切な食材が「魚油」です。

強心レシピ❺マグロとゴボウのショウガ煮

s_マグロとごぼうのショウガ煮.jpg心室細動・狭心症の人におすすめ主菜

【材料(2人分)】

マグロ…200グラム、ゴボウ…1本、ショウガ…2かけ、ゴマ油…大さじ2、醤油…大さじ4、砂糖・みりん・酒…各大さじ2、アオサ…大さじ1

【作り方】
❶マグロは角切り、ゴボウはささがきにして酢水(分量外)にさらし、ショウガは皮ごと千切りにする。
❷鍋にゴマ油を熱し、ショウガとゴボウを炒める。ゴボウに火が通ったらマグロを加える。
❸マグロの色が変わったら調味料を入れて煮詰め、アオサを和える。冷ましてから冷蔵庫に入れる。

強心レシピ❻サバ缶のネギ味噌和え

s_鯖缶のネギ味噌和え.jpg心室細動・狭心症の人におすすめご飯のお供

【材料(2人分)】
サバ水煮缶…大1缶、長ネギ…1本、味噌…大さじ4、砂糖…大さじ2

【作り方】
❶長ネギは粗みじん切りにする。サバ缶を汁ごと鍋に入れ、みそ、砂糖を入れて火にかける。
❷水分が減ってきたらネギを入れ、水分がなくなるまでさらに煮詰める。冷まして冷蔵庫に入れる。
缶詰は生魚より手軽にDHAなどの魚油が取れる食品なのでおすすめ。

強心レシピ❼牛そぼろと大豆の梅煮

s_そぼろ.jpg狭心症・心筋梗塞の人におすすめ

【材料(2人分)】
牛ひき肉…400グラム、大豆水煮…100グラム、梅干し…4粒、砂糖…大さじ2、醤油…大さじ4、酒…大さじ2

【作り方】
❶牛肉を鍋に入れて中火にかけ、ポロポロになるまで炒める。大豆を入れて、梅干しは手で適当な大きさにちぎって入れる。
❷砂糖、醤油、酒を加え、水分がなくなるまで煮詰める。冷ましてから冷蔵庫に入れる。

心室細動の予防には魚油|ハーバード大学の試験で判明

魚油には、DHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)という脂肪酸が豊富に含まれています。DHAなどは血栓(血の塊)をできにくくしたり、コレステロールを減らしたり、血流の流れをよくしたりする働きがあり、心臓や血管を守ってくれる大切な成分と考えられています。実際に、心房細動に対する魚油の作用を示した研究を報告します。

魚油と心室細動❶|ハーバード大学の研究報告

s_ふ.jpg魚油の効果は、ハーバード大学のアレキサンダー博士らによる試験で報告されています。実験では、ペースメーカー(自動心室収縮装置)を植えこんで人工的に心臓の拍動を速めたイヌを3群に分け、A群には魚油を、B群には大豆油を与え、C群には油は与えず(対照群)、その後、激しい運動をさせました。通常、この状態では心室細動が引き起こされます。

すると、大豆を与えたB群と、油を何も与えなかったC群のイヌには心室細動が起こりましたが、魚油を与えたA群のイヌは心室細動が完全に抑えられたのです。

魚油と心室細動❷|富山大学の研究報告

魚油が不整脈を抑える効果については、富山大学の浜崎智仁名誉教授らの動物実験によっても、確かめられています。

試験では、純度90%の魚油のDHAを尾に注射したマウスをⅠ群とし、何もしないマウスをⅡ群として比較しました。人工的に不整脈が生じるように操作したところ、DHAを与えたⅠ群のマウスは7匹全部が生存し、DHAを与えなかったⅡ群で生存したマウスは2匹のみで、5匹が死亡しました。魚油を与えたマウスの生存率100%という結果だったと報告されています。

狭心症の発症リスクが約4割減|牛肉に多い「L-カルニチン」の作用

心筋梗塞など心臓発作が起きると、その後に再発したり、不整脈や狭心症などほかの心疾患を併発したりする人が多いのです。心臓発作後の二次的な予防に「L-カルニチン」という成分が有効だという米国の研究報告があります。

その研究は、13の研究をメタ解析(複数の臨床研究のデータを収集・統合し分析すること)したもので、L-カルニチンをとると、心臓発作後に起こりやすい狭心症発作のリスクが40%、心室性不整脈のリスクが65%も減少するとわかりました。さらに死因を問わない死亡率では27%低下することや、心筋梗塞の梗塞部分の縮小も確認されたのです。

L-カルニチンは、そのほとんどが体内の筋肉細胞に存在しています。そして、筋肉細胞へ脂肪を受け渡す運搬役を担っています。そのL-カルニチンは、もともと体内の肝臓と腎臓で合成されるため、基本的には不足しにくい成分です。しかし、合成する力は、20代をピークに年齢とともに徐々に低下してしまうのです。そのため、50代を過ぎたら積極的に食品から補給したほうがいいでしょう。

L-カルニチンが多く含まれている食品は、赤色の濃い肉類で、牛肉の赤身がおすすめです。L-カルニチンの摂取量の目安としては、50歳以上の人は1日100ミリグラム、国産牛の場合100グラム相当でとることができます。また、ラム(仔羊)やマトン(成羊)には牛赤身肉より多く含まれています。これらの肉は、特有のにおいがあって苦手な人が多く、牛肉より入手しづらいですが、脂肪分も少ないのでおすすめです。

s_Fotolia_130184129_Subscription_Monthly_M.jpg牛肉がいいといっても鶏肉や豚肉に比べて脂肪分が多いので、生活習慣病のリスクの高い中高年の人は食べ方に気をつけましょう。 次に、肉類は腸内環境を悪化させがちなので、牛肉だけでなく食物繊維の豊富な野菜や海藻もいっしょにたくさんとるようにしてください。
(解説:田島 眞)

マグネシウム不足にもご注意を

不整脈や狭心症、心筋梗塞などを招く大きな原因の一つとして「マグネシウム」の摂取不足も挙げられます。実際、諸外国で行われている疫学調査では、飲料水に含まれるマグネシウムとカリウムの濃度が高い硬水ほど、急性心筋梗塞の死亡率が低下したとの報告があります。

マグネシウムを抗不整脈薬として活用する循環器専門の医師も増えていることからも、その作用への信頼が確かなことがうかがえます。

マグネシウムが不足している原因は、主に食生活の欧米化が考えられます。特に、大麦などの雑穀を摂取する機会が減り、精白米になったことが挙げられます。そこで、ぜひ1日最低1回は、大麦や雑穀を混ぜたご飯を食べてください。それだけで、50グラム程度のマグネシウムを摂取できます。最近ブームになっている「もち麦」も大麦の一種で食物繊維も多くおすすめです。今回紹介したレシピのいくつかにも、もち麦はたっぷり使われています。

なお、心臓にいい食品をとるだけで、不整脈や心疾患が改善するわけではありません。適切な治療と規則正しい生活などと併せて、改善策の一つとして役立てるようにしましょう。

記事にあるセルフケア情報は安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、効果効能を保証するものではありません。

写真/© Fotolia ©カラダネ

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