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【やり方動画つき】慢性腎臓病(CKD)を改善する「手足ゆらし」!急性腎炎の予防にも

解説渡辺医院院長
渡辺完爾

慢性腎臓病(CKD)を予防・改善する方法はさまざまありますが、できれば自宅で簡単に続けられるものが一番です。

今回は、寝ながら慢性腎臓病対策ができる方法をご紹介。
渡辺医院院長の渡辺完爾先生に話をお聞きしました。

腎機能の回復には腎臓の血流促進が最重要

衰えた腎機能を回復させるには、腎臓の血流を促すことが大切です。その血流改善をもたらす簡単かつ意外な方法が、手足や内臓など全身に張り巡らされている「毛細血管」の強化です。

心臓から送り出された血液は、太い動脈→細い動脈→毛細血管を通って全身の細胞に届きます。そして、各細胞から毛細血管→細い静脈→太い静脈を経て心臓へ戻っていきます。このように、毛細血管は動脈と静脈の間にあり、血液と細胞の橋渡し役として酸素と二酸化炭素、栄養素と老廃物などの交換を行い、全身の血液を循環させる役割を担っているわけです。

ほとんどの人は、「血液循環の原動力は心臓」と思っているでしょう。しかし、私は、「血液循環は毛細血管の働きに左右される」と考えます。

毛細血管が血液循環を担っている

blood-capillaries.jpg毛細血管が血液循環を担っていると考える理由は、診療の柱にしている「西式健康法」にあります。
西式健康法とは、故・西勝造(にし・かつぞう)先生が古今東西の医学や科学を基礎にして創案されたもので、人間に備わっている自然治癒力を最大限に引き出す治療法です。 西式健康法には血液循環について独自の理論があり、「動脈と静脈を結ぶ毛細血管が血液を引き寄せることで、体のすみずみに血液が届く」と定義しているのです。

血流の良し悪しを左右するのは「毛細血管」だった

専門的な話になりますが、毛細血管についてもう少しくわしく説明します。

毛細血管は、全身に約400億本が張り巡らされ、編み目状に分布しています。その太さは毛髪の20分の1程度しかなく、赤血球などの血液成分がかろうじて通り抜けられるほどの細さです。

また、全身にある毛細血管の7割以上が手足に集中しています。

人間は主に立って生活しているため、毛細血管に引き寄せられた血液(末梢血)は、手足の末端に滞りやすくなります。通常、手足で滞った末梢血は、歩いたり、物を持ったりして手足を動かせば、筋肉のポンプ作用が働いて静脈に戻りやすくなり、最終的には体幹の心臓へと戻っていきます。

しかし、便利な生活に慣れてしまった現代人は、手足をはじめ体を積極的に動かそうとしません。すると、毛細血管から静脈へ血液が戻りにくくなり、全身の血流が滞りやすくなります。血流が悪化すると、細胞や組織に酸素・栄養が十分に供給されなくなり、二酸化炭素や老廃物がたまるようになります。その結果、腎臓をはじめとする内臓の働きが衰えるのです。

特に、血液をろ過し、老廃物や塩分を尿として排出する腎臓は、無数の毛細血管から構成されており、血流悪化の影響を大きく受けます。
ですから、手足に滞っている末梢血を体幹に戻すことが、衰えた腎機能の回復にいいことは間違いありません。

毛細血管を強化する特効法「手足ゆらし」のやり方

手足の毛細血管に刺激を与えて、全身の血液を循環させる特効法としておすすめしたいのが「手足ゆらし」です。

手足ゆらしは、あおむけに寝て、手足を床から垂直に伸ばし、その状態で手足をブルブルと小刻みに震わせるだけの簡単な体操です。

手足ゆらしのやり方

rocking-limbs1.jpg首の下に低い枕やバスタオルを丸めた物を置いて、あおむけに寝ます。

rocking-limbs2.jpg両腕と両足が、床に対してなるべく垂直になるように同時に上げます。このとき、足の裏を水平にして、手の指は軽く伸ばします。

rocking-limbs3.jpg両腕と両足全体を、腕と足のつけ根からブルブルと小刻みに震わせます。1〜2分程度を目安に、心地よさが感じられる範囲で行いましょう。

手足ゆらしのやり方を動画でも紹介しています。
手足の動かし方などがはっきりとわかるので、ぜひご覧ください。


手足ゆらしは、起床後と就寝前の1日2回行ってください。余裕のある人は回数を増やしてもかまいません。

体力が衰えている中高年の中には、両腕・両足を同時に垂直に上げることが難しいという人もいるでしょう。もし、両腕・両足を同時に上げるのがつらいと感じたら、両腕だけ、あるいは両足だけというように別々に手足ゆらしを行ってもらっても大丈夫です。

【体験談】血尿が出て気づいた慢性腎炎が手足ゆらしで改善

坂本洋一さん(仮名・40歳)は、東京都に住む消防士です。以前から仕事の激務が続いて体調をくずしたとき、血尿が出ることがあったといいます。
そして、2012年4月の健康診断で、尿たんぱくと尿潜血に陽性反応が出てしまいました。

驚いた坂本さんが病院で精密検査を受けると、軽度の慢性腎炎と診断されたのです。
幸い、軽度だったため、薬を処方されることも食事制限を指導されることもなかったそうです。しかし、その後も疲れると血尿が出る状態が続いたそうです。

坂本さんが、そんな悩みを友達に相談したところ、自然治癒力を高める治療を行う当院のことを聞き、2012年8月に来院されたのです。

早速、血液検査をすると、坂本さんの尿たんぱくと尿潜血は陽性で、クレアチニン値(腎臓の機能の検査値)は1.2ミリグラムと基準値を超えていました(男性の基準値は約0.6~1.1ミリグラム)。
そこで、低たんぱく食と減塩食をベースに、1日1〜2食は必ず生野菜を食べるように指導し、さらに、血液循環をよくする運動療法として、「手足ゆらし」をすすめたのです。

手足ゆらしを、起床時と就寝時に毎日続けた坂本さんは、1週間ほどすると、以前より体が疲れにくくなったと感じたそうです。

2カ月後の血液検査では、クレアチニン値は1.1ミリグラムまで回復しましたが、尿たんぱくと尿潜血は陽性のままでした。それでも、坂本さんはあきらめずに朝晩の手足ゆらしを続けました。すると、半年後には、クレアチニン値は1.1ミリグラムで変わりなかったのですが、尿たんぱくと尿潜血は正常な状態を示す陰性となり、改善が見られたのです。

2013年以降の健康診断でも、尿たんぱくと尿潜血はずっと陰性で、クレアチニン値は基準値内で推移するなど、経過は良好です。手足ゆらしを始めてからは、体調が悪化したときも血尿は見られません。

【体験談】手足ゆらしを1カ月続けたら、尿たんぱくが出なくなった

埼玉県に住む吉田恵子さん(仮名・70歳)は、以前から両足のふくらはぎや太ももにむくみが出ていたそうです。

そして、2014年7月のこと、突然、右足にけいれんが起こり、病院の精密検査で、尿にたんぱくがまじっていることを示す陽性反応が出たのです。 診断の結果、けいれんやむくみは、慢性腎炎が原因と指摘されました。

副腎皮質ホルモンの薬の治療で右足のけいれんはすぐに治まり、ふくらはぎや太もものむくみも少しずつ軽減していったそうです。

しかし、吉田さんはなるべく薬に頼らない治療を受けたいと思い、当院を訪れたのです。私は、運動療法と食事療法を柱とした治療を行うことにしました。

運動療法では、「手足ゆらし」を、朝と晩の1日2回行ってもらいました。すると、手先と足先までポカポカと温かくなり、血流がよくなっていきました。
全身の血流が促されれば、腎臓の血流も増えて、腎機能の回復が大いに期待できるのです。

食事療法では、1日2食で野菜は必ず摂取しながら塩分控えめで低たんぱくの食事にして、腎機能がなるべく早く回復するように心がけたのです。

すると、入院から1カ月後の検査で、尿たんぱくは正常を示す陰性反応に改善され、ふくらはぎや太もものむくみもほぼ解消し、3日後には、吉田さんは無事に退院できたのです。

記事にあるセルフケア情報は安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、効果効能を保証するものではありません。


写真/© Fotolia ©カラダネ

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