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認知症の原因は脳の萎縮だけではない!? 認知症の4大タイプや発症の原因とは?

解説阿部メディカルクリニック院長
阿部 聡

2015年の厚生労働省の発表によると、2025年に認知症の患者数は700万人を超えるとされています。さらに、認知症までは進んでいないものの、正常とはいえない脳の状態(軽度認知障害のMCIという)の人を含めると約1300万人に及ぶ、と推計されているのです。

もはや国民病ともいえる認知症の種類や原因を、わかりやすく解説していきます。阿部クリニック院長の阿部聡先生にお話をお聞きしました。
自分自身に認知症の心配がある人、疑いのある家族がいる人は、まずは必ず専門医に診てもらうことが最重要です。

対策しだいで進行を抑えられる認知症の種類もある

認知症の種類は、主に以下の4つのタイプに分けられます。
●アルツハイマー型認知症
●脳血管性認知症
●レビー小体型認知症
●前頭側頭型(ピック型)認知症
少し専門的になりますが、認知症の4つのタイプについて解説しましょう。

アルツハイマー型認知症とは

アルツハイマー型認知症は、認知症を発症する人の約65%を占めるとされる最も多いタイプです。アルツハイマー病の原因はまだ完全に解明されていませんが、発症のしくみについてはかなりわかってきています。

アルツハイマー型認知症は、脳内にたまった『アミロイドβ』と『タウたんぱく』という2種類のたんぱく質が、脳の神経細胞を壊していく病気という考えが今の主流です。

そもそも、アミロイドβやタウたんぱくは、健康な脳でも毎日少しずつ作られています。アミロイドβは、本来は脳で作られては分解され、消えてしまうタンパク質です。
しかし、年を重ねるにつれて、その分解機能が衰えるため、脳の神経細胞の周囲にたまってしまうのです。そして、アミロイドβがたまりはじめてしばらくすると、脳の神経細胞の内部にタウたんぱくもたまりはじめるのです。

そして、まず脳内で記憶を担う「海馬」の神経が破壊されて萎縮が始まり、物忘れや認知機能障害といった症状が現れるようになります。ちなみに、海馬とは、過去2年くらいの近い記憶を格納する大脳辺縁系にある器官で、記憶力の低下を防ぐ要所といえます。
hippocampus-description.jpg大切なのは、こうしたアルツハイマー型認知症の前兆にいち早く気づくことです。物忘れの場合、同年代の人と比べて、置き忘れやしまい忘れが多かったり、使い慣れた言葉が出てこなかったり、語彙が急に乏しくなったりするようなら、危険な物忘れだと考えるべきです。

認知機能障害としては、主婦であれば、炊事、掃除など今まで何事もなくこなしていた仕事に手間取ったり、やり方の順番があやふやになったりといった症状が現れます。

脳血管性認知症とは

cerebral-infarction.jpg脳血管性認知症は、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害によって、脳の神経細胞が破壊される病気です。脳の血管がつまったり出血したりすると、脳の神経細胞に酸素やブドウ糖などの栄養分が送られなくなり、その部分の神経細胞が死滅して認知症を発症します。

脳血管性認知症の発症の背景にある脳梗塞や脳出血は、高血圧や糖尿病をはじめとした生活習慣病の原因が大きいといえます。つまり、脳血管性認知症の発症を防ぐ最大のポイントは、生活習慣の改善です。

過食や偏食の人は食生活を見直し、運動不足の人は週1~2回は運動する機会を設けるなど、今日から生活習慣の改善に努めましょう。

レビー小体型認知症とは

レビー小体型認知症は、脳にレビー小体という特殊なたんぱく質がたまり、神経細胞を壊していく病気。発症は男性に多く、女性の約2倍にも達するとされています。

レビー小体は、実はパーキンソン病の原因にもなる危険なたんぱく質です。認知症の症状もあるパーキンソン病患者が見られるのは、このためです。
レビー小体型認知症の原因も治療法も解明されていませんが、最近では進行を抑えるのに有効な治療薬も出てきているようです。

前頭側頭型認知症とは

最後に、前頭側頭型認知症ですが、主に脳の前頭葉や側頭葉が萎縮する病気です。その代表的なものとして、ピック病があげられます。前頭側頭型認知症は、65歳以下の比較的若い人に起こりやすいのが特徴です。前頭側頭型認知症に関しても、その原因や治療法は解明されていません。

なお、アルツハイマー型認知症・脳血管性認知症・レビー小体型認知症・前頭側頭型認知症の中で、どのタイプの認知症に当てはまるのか知りたい方は、下記の記事をクリックしてチェックしてみてください。
認知症の種類をセルフ診断|48の質問で種類・危険度がわかる

認知症の発症原因にいち早く気づくための知識を持とう

このように、ひと口に認知症といっても、種類や原因がさまざまに分かれているため、しっかりとした知識を身につけておくことが重要です。

認知症の兆候にいち早く気づいて、自分がどのタイプの認知症になる危険があるのかを知ることが、これからの超高齢社会を自立して生きていくためのマナーといえるのではないでしょうか。


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この記事は、医療や健康についての知識を得るためのもので、特定の見解を無理に推奨したり、物品や成分の効果効能を保証したりするものではありません。

写真/© Fotolia ©カラダネ

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